2011年7月22日金曜日

チェルノブイリの真相 ある科学者の告白


20110721 チェルノブイリの真相 ある科学者の告白
http://www.dailymotion.com/video/xk1kf9_20110721-yyyyyyyyyy-yyyyyyyy_news

昨夜、NHKのBSで放送されたドキュメンタリードラマです。全48分ちょっとあります。

このドラマは、クルチャトフ研究所副所長・ワレリー・レガソフ氏が残した録音テープをもとに製作されました。彼は砂袋による冷却や、原子炉下部タンクの水を抜くなどの対処法を編み出し、事故収束に寄与した人物です。事故後は、ソ連の事故調査委員会の責任者を務め、原子炉に欠陥があったと訴えていましたが、政府によって却下され、地位を失墜しました。その後、1本の録音テープを残して1988年に自殺しました。

そのなかのレガソフ氏の言葉です。

「私は熱心な共産党員です。その私ですら、長らく目にしなかったソビエト国民の姿が、チェルノブイリにはありました。誰もが文句ひとつ言わず、きびきびと働いていたのです。11万6000人を避難させる決断も、簡潔な話し合いだけで即決されました。長年この国を支配していた独善的な官僚政治は影を潜め、情熱と悲痛なまでの決意が現場を支配していたのです。我々政府委員会は、きわめて危険な作業のときに『いのち何個分』という数え方で、その作業を遂行するかしないか、検討するようになっていました。ミスを犯してはならない。命を無駄にしてはならないという責任が重くのしかかってきました」

このドラマを見ると、秘密主義、隠蔽体質はあったにせよ、当時のソ連政府の中心人物たちは、事態の深刻さをしっかりと認識していたことが分かります。事故当日の夜には住民の避難を決定し、翌日にバスを走らせます。リグビダートルと呼ばれる作業員たちの「命」を使っていることも、彼らは理解していました。

福島原発災害への日本政府の対応は、ソ連政府の足元にも及ばないお粗末なものです。責任感も判断能力も皆無で、重要な情報だけはしっかり隠蔽し、すべて官僚、政治家の利権で物事が動いています。良心なんてものはカケラもなく、国民の命は軽視され、四ヶ月経った今でも、まったく非論理的、非科学的な対応をとり続けています。

政府と同じく、日本国民もいいかげん目を覚ましてほしい。チェルノブイリで原発事故が起こったことは、日本の大人なら誰もが知っているはずです。にも関わらず、福島で未曾有の原発事故が起こってもなお、国民の多くが、その教訓を見ようとしない。自分たちが国の主権者であることも忘れ、ただ日常が続いていると思い込んでいる。大切なことを見て見ぬフリをする大人たちに、子供の教育をする資格はありません。

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