2011年11月15日火曜日

全国が満遍なく汚染されたのか?

MacBook Air、超軽い。iPhone4S、超画面キレイ。
といって、仕事が早くなるわけではありませんが。

ところで下の地図を見てください。

*   *   *

土壌へのセシウム沈着量を計算した地図。
単位は土壌1キログラム当たりのベクレル
(米科学アカデミー紀要提供)

初の“セシウム汚染”全国マップ!北海道~中国地方まで広く拡散
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20111115/dms1111151134009-n1.htm

(引用)
東京電力福島第1原発事故で放出された放射能が、日本列島各地に拡散している状況が明らかになった。名古屋大などの研究チームは福島第1原発から放出された放射性セシウムの全国分布を推定した地図を作成した。15日の米国科学アカデミー紀要(電子版)に発表する。各自治体などが公表したデータに基づく推定とはいえ、実態に近い全国版の汚染マップが示されるのは事故後初めてだ。

地図は名古屋大の安成哲三教授、ノルウェー大気研究所などのチームが作った。3月20日から1カ月間に福島第1原発から放出されたセシウム137について、各地の自治体が計測した連日の降下量データをもとに大気中の拡散をシミュレーション。土壌への沈着量を推定した。

セシウムは北海道から中国地方にかけた広い範囲に沈着するが、西日本の汚染は少ない結果だ。研究チームは「中部地方の山岳地帯が西日本への汚染大気の拡散を防いだ」と分析している。

地図上の分布状況は、文部科学省が岩手県から岐阜県まで18都県で行った航空機モニタリングの実測値とほぼ合致している。そのため、専門家らは「汚染は、この地図通りに広がっている」とみている。

ただ、今回の解析には建屋の水素爆発などで大量の放射性物質が放出された3月中旬のデータは含まれていない。同チームでは、地図に示された状況は「実際の汚染の下限に近い」としている。現実はさらに深刻ということか。(引用ここまで)

*   *   *

あらー、中国地方から北海道まで、日本全国汚染されまくってるじゃん。というのは、まあ事実は事実なのですが、この地図は汚染の度合いが全国的に平板に見えるよう作られています。

原発が爆発を繰り返し、あらゆる放射性核種が大気中に放出された3月中旬のデータを含めずに作られているのです。どうも、「日本は満遍なく汚染されているんだよ」というミスリードのようにも感じられます。

「現実はさらに深刻」というこの記事の結論はまったく正しいのですが、その深刻度合いは福1に近いほど増していきます。だって爆発時期のデータが反映されていないのですから。高濃度の放射能プルームが到達した地域の汚染は、この地図よりももっともっと酷いということなのです。

もしかしたら、この地図を公表、報道している側は「どこに逃げても一緒ですよ。どこも汚染されてるんだから」と言いたいのかも知れません。

で、この夏頃に流行った面白い地図があります。

クリックで拡大

これは非常に的を射た地図です。住む地域によって、汚染への感覚は変わってくることを表しています。そして人々は、自分の住む場所とより汚染のひどい場所を比べて「ここより原発に近い場所に、たくさん人が住んでいるのだから」という、非論理的な考えで安心しようとします。

ちょっと前、友人に「私は危険派と安全派の学者の意見を相対的に聞いて、弁証法的に捉えようと思う」と言われました。だいたい人生における問題は答えが無いことが多いので、そうした弁証法的な考え方は非常に有効ではあります。ですが、こと有事の判断においては、そんな悠長な、人間的な、あまりに人間的な考えでは、ダメなのです。

放射能の問題には、明確に答えがあります。すなわち健康被害を受けるか否か。これから長い期間で、その答え合わせが続くのです。好むと好まざるにかかわらず。つまり、放射能の危険性は相対的なものではなく、絶対的な数値で見なくてはいけないのです。「0.6μSv/h以上は放射線管理区域である」というように。

*   *   *

土地の人口が減るということは、公務員の数も減るということです。福島県知事や宮城県知事が事実を隠蔽して、県民を逃がさない努力をしているのは、そうした公務員の食いぶちを減らさないため、という見方もできます。

そして確かに今となっては、避難するリスクとリターンが拮抗、あるいはリスクの方が大きい場合も多いのです。爆発直後の時点なら、東北、関東、どの地域においても、避難することの方がリターンが大きかった(まだ答えが出ていないのでなんとも言えませんが、「この病気はもしかして」と考えずに済む精神的なリターンが大きい)。

ですが、私は、なんどもなんども言ってますが、0.6μSv/h以上の土地に住む人(特に40歳以下の人たち)は、今からでもすぐに避難するべきだと考えています。

先の地図を見ると九州地方だけが汚染されずに済んでいます。沖縄は地図上に無いので分かりませんが、おそらく大丈夫だと思います。

ちなみに私は避難先を福岡に決めたとき、偏西風の方向とチェルノブイリ事故時の汚染範囲、猫を連れて新幹線で行けること、そして沖縄や太平洋側よりもプルームを遮る山脈が多いこと、などを考慮しました。この考えは、結果的に正しかったと言えるでしょう。

それにしても、北海道の汚染が思ったよりもひどい。私は東京にいる間、北海道牛乳を飲みまくってるんだけど、ちょっと考え直す必要があるのかな。

2 件のコメント:

  1. 私も北海道産の牛乳を飲んでおりました。
    http://securitytokyo.com/konsen_milk.html
    微量ですが、セシウムが入っていると判明してちょっとショックでした。
    やはり西の産地にしようかと思いました。

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  2. こんにちは。
    やっぱり、ごく微量ながら出てるんですねー。
    でも東京の部屋の近所のスーパーには九州の牛乳を置いてないんですよ。
    東京にいたりいなかったりなので、
    通販するのも日にちを合わせたりするのが面倒で……。
    どこまで許容するか。考えどころです。

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