2011年11月6日日曜日

TPPについて


今まで、TPPに関してはよく分からなかったので、書かなかったのですが、私の意見を言っておきます。

TPPは、環太平洋戦略的経済連携協定なんていう大げさな名前が付けられていますが、GDPの規模から見るに、アメリカと日本の非関税障壁を取り払うという、事実上2国間の協定である、ということ。

これに参加すると、関税を無くすことで安い農産品が入ってきて、日本の第一次産業が壊滅してしまう可能性がある。

また、日本が誇る国民皆保険が無くなり、マイケル・ムーアの『SiCKO』のように、医療や保険がアメリカ並みの劣悪なものになる可能性がある。盲腸1回600万円とか。金持ちしか健康を保つことはできなくなるということです。

その他いろいろ、非関税障壁について国際機関に訴えられれば、たとえ日本の法律でも自国を守ることができなくなる。とにかく日本が潰れてしまう可能性がある、ということが分かりました。

で、私が思うに、日本はTPPに参加すれば良いと思います。

震災以前の日本であれば、私はTPPに反対したでしょう。この協定は明らかに内政不干渉の原則に反しています。

でも、原発災害が起こってからの日本は、法治国家ではなくなり、民主国家でもなくなり、ただ利権構造によって自滅していくだけの、亡国になっているのです。もちろん、その芽は災害以前からあったものですが、原発災害によって、この国の本質が明確に表れました。

日本の農業が潰れる? いやいや、もう潰れるより酷いことになってます。だいたい、もともと日本の農業は、既得権益が酷くて、日本人や日本企業でも参入障壁が高かったのです。健康保険が利かなくなる? 保険どころか、日本政府と東京電力は自国民を殺しても平気な顔してるじゃないですか。

先の敗戦で、日本はアメリカの作った憲法で、成長を遂げました。そのときマッカーサーは「近代文明の尺度で測れば、日本人は12歳である」と発言しました。今の日本人は何歳でしょうか。幼稚園児レベルです。

枠組みを作る力も、構造改革する力も日本には残っていません。前エントリのタイトルのように、日本人は奴隷化してしまった。これは戦後教育による愚民政策の成果です。もちろん、これは私自身にも向けた言葉です。私は暴動を自ら起こすだけのバイタリティを持っていないのですから。

残念なことに、黒船や戦争と同様、外圧でしか、日本は変われないのです。

TPPに参加して、日本がどう変わるのかは分かりません。良い方向に行くとも思えません。でも、外圧が利権構造を潰してくれる可能性があるのなら、今は参加するタイミングです。

おそらく「TPPは絶対ダメ」と言っている人は2種類いて、本当に日本のことを考えている人と、利権内部にいる人です。だから、これだけ反対論が盛り上がるのだと思います。

もちろん賛成派にも利権者はいます。親アメリカの政治家などには、見返りが用意されているのでしょう。

保守、左派、宗教、外患……、今の日本で存在感を誇示している人たちを見ると、何かの行動理由を持っている人たちしか見当たりません。特定の思想に偏らず、ただ日本が良い国であって欲しいと願う「普通の日本人」の存在感が無い。

「普通の日本人」が当たり前のことを考えて、おかしいことはおかしいと声を上げれば、この国は簡単に変われると思っています。良かれ悪しかれ、この国は法律よりも世間が勝つのです。

真っ当な「世間」を取り戻さなくてはいけません。

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