2011年4月25日月曜日

内部被曝について、知ってますか?

よくよく考えたら、内部被曝について書いてなかったので、ちょっと基本的なことを説明します。

枝野氏や、TVの学者たちが、被爆についてレントゲンやCTスキャンと比べていましたが、これは外部被曝のおはなしです。外部被曝は外から放射線を受けるもので、100mSv/h〜数Sv/hといった高い放射線を浴びた時に身体に影響がでます。人によって感受性が違うので、影響はさまざまです。


飯舘村などの高放射線地域に長い時間居ると、こうした影響が出てきますが、現在の東京における空間放射線量では、外部被曝で影響が出ることは無いと思います。


また、関西の自然放射線量は関東よりも多いので、今ちょっと東京の空間線量が増えても、関西とそう違わないのではないか、と考える人もなかにはいるようです。

自然放射線は、地盤や建材、宇宙線などに由来します。関西と関東でのガン発生率に有意な差が認められれば別ですが、もちろんそんなことはありません。

自然から来る放射線は、基本的に健康には影響を与えないと言われています。今、起こっている原発由来の放射線とは別に考えなくてはいけません。怖いのは、放射線ではなく、放射性物質です。この違いをよく理解する必要があります。

被爆には外部被曝とは別に、内部被曝というものがあります。自然放射線は外部被曝のお話。本当に気をつけるべきなのは、内部被曝なのです。

内部被曝は、ヨウ素やセシウム、ストロンチウムなどの放射性物質を体内に取り込んだ際に起こります。放射性物質を含む空気を吸ったり、食べ物や水を口にすることで、内部被曝します。

放射線の強さは距離の二乗に反比例します。つまり、遠ざかれば遠ざかるほど、弱くなります。逆に言えば、近づけば近づくほど、強くなるのです。

体内に取り込んだ際は、放射性物質と細胞の距離は限りなく近づきます。細胞にくっついた状態は1mmよりも近い至近距離となります。その距離から、細胞と遺伝子は放射線によってどんどんと傷つけられていきます。

まだ体が出来上がっておらず、細胞分裂が活発に行われている胎児や乳幼児、子供は、その影響を大きく受けます。

放射性物質の種類によって、蓄積する場所が違います。ヨウ素は甲状腺に、セシウムは筋肉に、ストロンチウムは骨に蓄積されやすいです。これらは数日から数百日で体外に排出されるとされていますが、研究者によって言うことがまちまちなので、あまりよく分かっていないようです。また、完全に100%排出されるということも、無いようです。

セシウムは半減期が30年なので、一生放射線を浴び続けることになる可能性もあります。ヨウ素は半減期が8日ですが、これは短いから危険性が低いのではなく、核種が持つ放射能を短期間に放出するということで、むしろ危険なのです。

チェルノブイリ事故では、ヨウ素131が子供の甲状腺ガンを引き起こしました。ウクライナやベラルーシなどの子供たちが多く発症し、彼らの首の手術跡は、チェルノブイリ・ネックレスと呼ばれています。甲状腺ガンになった人は、ガンが治った後も甲状腺ホルモンが作れないため、一生に渡って、ホルモン剤を飲み続けなければいけません。

被爆には潜伏期間があるので、影響が「ただちに」出ることはありません。チェルノブイリ事故では、子供たちのガンは5年〜10年後に多く出てきました。また、その子供たちの産んだ子供にも、影響が出ています。


放射線の影響は子供たちだけでなく、これから子供を作る人たちの卵巣や精巣、精原細胞も傷つけます。流産してしまったり、障害を負った子供が生まれる確立が高まるのです。若い人ほど影響は大きく受けます。

今、東京で好評されている放射線量は、上空18mもの高さで測ったものです。放射性物質は地面に降り積もっているので、低い位置では、より高い測定値が出ています。

福島の子供たちを放射性物質が舞う校庭で遊ばせてはいけないと前エントリーで書いたのはそういうことです。

都内においても、ホットスポットと呼ばれる高放射線地区が発見されています。安全・安心だとはとうてい言えないと、私は思います。

一番良いのは、原発から遠く離れた安全な場所に移動することですが、各家庭の事情で動けない人たちも多くいることと思います。

そんな人でも、とるべき対策は、いろいろとあります。マスクをする、飲み物、食べ物に気をつける、これだけでも全然違います。

何よりも、自分の身を守るための情報は、人任せにせず、自分で知ることが大切だと思います。

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