私は自分が多少不安だったが、
共産主義者でなかったから何もしなかった。
ついでナチ党は社会主義者を攻撃した。
私は前よりも不安だったが、
社会主義者ではなかったから何もしなかった。
ついで学校が、新聞が、ユダヤ人等々が攻撃された。
私はずっと不安だったが、まだ何もしなかった。
ナチ党はついに教会を攻撃した。
私は牧師だったから行動した。
───しかし、それは遅すぎた。
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ドイツのルター派牧師であり反ナチス行動で知られるマルティン・ニーメラーの詩です。
自分と関係の無い人々の苦しみは、なかなか共感できないものです。でも、それを見過ごしていると、回り回って自分の元にやってくるという教訓を含んでいます。
これは多分に、想像力と無関心、そして正常性バイアスと同調圧力の問題です。
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ユダヤ人狩りが始まる直前に難を逃れた人もいます。
皮肉なことに、核分裂のアイデアを歴史上初めて考え出した物理学者のレオ・シラードもその一人です。
ナチスが台頭してきた当時ドイツにいた彼は、ナチスの危険を友人たちに説いてまわり逃げるようにすすめたが、誰も相手にしなかった。しかたなく、シラードは一人でウィーン行きの汽車に乗った。その翌日からユダヤ人への粛清が始まった。
(ダイアローグ研究会講義録「レオ・シラードの思想と生涯」田口ランディから引用)
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