「債務超過にはならない」 東電・西沢社長の一問一答
東京電力の西沢俊夫社長は9日、東京都内の本店で2011年4~6月期決算を発表し、福島第1原子力発電所事故の損害賠償の支払いが財務に与える影響について「債務超過になる可能性はない」との見方を示した。主な一問一答は以下の通り。
――賠償金の支払いにどう対応するか。
「(政府が中心となって新設する)原子力損害賠償支援機構から賠償資金をもらう。そのお金は決算上、利益として計上されるので債務超過になる可能性はない。(機構からの資金は)基本的に損害賠償に使わせてもらい、ほかはなるべく自力でやるよう最大の努力を図りたい」
「9月から賠償申し込みを受け付け、10月中に支払いを始めたい。現時点で見積もり可能な金額が3977億円で、それ以外は始めてみないと分からない。社員中心に3000~4000人を賠償対応に振り向ける」
――国から資本を受け入れる考えはないか。
「具体的に見極めが付いた段階ではない。色々検討しているとご理解いただきたい」
――来夏以降の電力需給の見通しは。
「今夏の状況をよく踏まえた上で今後の需給をどう考えるか詰めたい。現在動いている原発も年明け以降、順次定期検査に入るので現時点で確たる数字は無いが、厳しい認識は持っている」
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今月3日に「東電救済法案」こと「原子力損害賠償支援機構法案」が可決したことで、東電の賠償金は国民から徴収されることになりました。そのため、西沢俊夫社長は債務超過になることはない、と説明しました。
民間企業のような振る舞いでステークホルダーに説明する社長。でも、そこで使われるのは国民の税金です。民間企業と公的法人の両面を使い分けて、東電の役員、官僚、原子力関連の法人、政治家にカネが行く仕組みになっているのです。
法律を熟知した官僚のやり口で、すべてのツケは国民に回されています。こうした仕組みを作り出した原因は、法を作り、執行する者のモラルハザードと、主権者たる国民の無知、無関心にあります。
まがいなりにも民主国家である日本で、権力を握っている人たちが、もっとも恐れているのは「国民が賢くなること」です。国民が権力構造を理解して、世論が変わり、おかしいことをおかしいと追求する。当たり前のことができたら、この仕組みはあっという間に変わるはずです。
ただし、このまま国民が変わらなければ、日本は徐々に衰退し、三流国になるでしょう。見方と言うには、あまりに普通の意見ですが、これが現状なのです。
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