低線量被曝データはあった…なぜ誰もそれに言及しない?
http://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20110826/zsp1108261137001-n1.htm
(一部引用)
ところが、古川議員からは意外な言葉が飛び出した。
「22万7000人ばかりを調査した、立派な調査があります」
それは、文科省の委託を受けた財団法人放射線影響協会が作った「原子力発電施設等 放射線業務従事者等に係る疫学的調査(第IV調査)平成17年度~平成21年度」である。原発で働く人を対象にした追跡調査。世界で同様の調査は行われているが、戸籍制度がしっかりしている日本のものが、実は最高に優れているという。
「放射線従事者の方々は長期被曝しておられます。一般の方々と比べた場合、癌のリスクは1.04倍になります。明らかに偶然では説明できない差をもって、放射線従事者のほうが、癌がたくさん発生してるんですね」
「この放射線従事者の方々の平均の被曝線量は累積で13.3です。20ミリ以下ですね」
そして、労災認定の例を挙げる。
「過去に癌を発症して労災認定をされた方は10人いますが、最も少ない人は5ミリの被曝だったんですよ。政府が被曝との因果関係を認めてるわけですよ」
最も大きな問題は原子力安全委員会が持っていた緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム「SPEEDI」を5月2日まで公表しなかった点だ。
細野首相補佐官(当時)が「(公表すれば)パニックになるから」と言ったことを指摘し、古川議員は「被害を知らなかったとすれば無能だが、故意に隠したなら刑事責任を問われる」と責めたてた。
菅政権が無能かどうかなど問題ではない。原発事故への対応は犯罪だった。これが核心である。
古川議員は議会で被災地域の約20万人のうち3割、6万人が癌で亡くなると断言した。20mSvの被曝なら約960人が、10mSvなら約480人が亡くなる。増えた分はSPEEDIを隠した政府の責任だ。
菅首相は「(SPEEDIを)知らなかった」と応えた。
今後の福島県の調査で数十年後癌患者が増える、その補償をどうする、との問いに海江田経産相は驚くべき答弁をした。
「訴えてください」と言ったのだ。
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このエントリで、原発作業員に40mSv/11カ月で白血病の労災が降りていることを書きましたが、最小5mSv/年で労災が認定されているとのこと。
いままで福島を含めて、健康被害がゼロである可能性を願ってきましたが、さすがに、ゼロというのは無さそうです。低線量被曝による確率的影響が出ることは間違いないでしょう。
ただ、もはや年間1mSvという以前の基準は、非現実的なものになっていることも事実です。外部被曝だけでも、これを遵守しようと思ったら、0.164μSv/h以上の地域で、避難をしなければいけないからです。そうなると東京都の一部を含む広範囲に及んでしまう。
武田教授は年間5mSv以内に収めることをひとつの基準だと考えていると書いていた記憶があります。そうすると、0.6μSv/hとなります。これは、放射線管理区域と同じ線量です。
この0.6μSv/hがひとつの目安となると思います。でも忘れてほしくないのは、これはあくまで外部被曝の話だと言うことです。内部被曝を考慮すれば、もっとマージンが必要でしょう。食べ物に気をつけるのは大前提です。
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