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福島の高校生の絶望聞いて
福島の高校生の絶望聞いて
ある授業で少し原発のことに触れた。「3号機が不調のようだね」と言うと、4年の男子生徒が怒ったようにこう言った。「いっそのこと原発なんて全部爆発しちまえばいいんだ!」
内心ぎょっとしつつ、理由を聞いた。彼いわく「だってさあ、先生、福島市ってこんなに放射能が高いのに避難区域にならないっていうの、おかしいべした(でしょう)。これって、福島とか郡山を避難区域にしたら、新幹線を止めなくちゃなんねえ、高速を止めなくちゃなんねえって、要するに経済が回らなくなるから避難させねえってことだべ。つまり、俺たちは経済活動の犠牲になって見殺しにされてるってことだべした。俺はこんな中途半端な状態は我慢できねえ。だったらもう一回ドカンとなっちまった方がすっきりする」とのことだった。
こういう絶望の声は他の生徒からも聞く。震災でアルバイトを失った2年生は吐き捨てるように言った。
「なんで俺ばかりこんな目に遭わなくちゃなんねえんだ。どうせなら日本全部が潰れてしまえばいい!」
こういう声に一教師として応える言葉がない。ぐっとこらえながら耳を澄まし、高校生にこんな絶望感を与えている政府に対する憤りを覚えるばかりだ。
(福島市・定時制高校教員)
(朝日新聞「声」欄・2011年5月27日)
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この男子生徒は大人よりも現実を知っている。それなのに、何もできない。
これは本当に辛い絶望的な話である。
政府はいますぐ希望者の避難を補償付きで認めるべきだ。
それが子供ならなおさらのこと。
これから生まれる子供に対して、
私は「大人はウソばかり。信用してはならない」と教えなければいけない。
こうなると「クレタ人はウソつきだ」のパラドックスに陥ってしまう。
そして今日もクソみたいな政局ばかり。
今後の日本の行方が知れない。
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