2012年12月25日火曜日

原発推進派に訊きたい、たった一つの質問

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あー忙しい忙しい。

自民党が勝ったこともあってか、最近、ネット上で、原発推進派の声が大きくなっているように感じます。でも「なぜこれからも原発が必要なのか」ということを納得させてくれる言説が見当たりません。感じられるのは「原発は必要というのが大人の意見(キリッ」みたいな空気です。まあなかには原子力村が雇った人たちもいるんだろうけど。

確かに反原発の人たちの方にもうさん臭さはあります。私もあまり賛同できない人たちがたくさんいます。だからといって反原発の理念自体が間違えてるということにはなりません。

推進派の人に聞きたいのは次の1点です。

●「使用済み核燃料」の問題についてどう考えていますか?

原発が必要と言うなら、使用済み核燃料の問題についての知識ももちろん持っているはず。もし知らないで原発を語ってるなら、迷惑極まりない。このブログの過去ログを読むなりググるなりしてください。忙しいのでリンクを張る時間はありません。

使用済み核燃料がもうすでに全国の原発に満タンに貯まってしまっていて、六カ所ムラも処理といいながら放射能ばらまいて、フィンランドでは10万年間、埋めておくなんてバカげたことをやろうとしてて。

原発利権の中にいる人が推進したいのは、理解できますが、その外にいる人が原発を必要だと思い込んでいるのはまったく理解できません。もっと勉強してから発言して欲しい。

原発がダメだという理由は、それこそ数十、数百もありますが、ただひとつ、使用済み核燃料の問題を知るだけで、原発というテクノロジーが破綻していることが分かります。

いずれ放射能を無害化する技術が発明される、と言われ続けて早半世紀以上経ちましたが、まったくメドが立っていません。アインシュタインも「原子力はやめとけ」とアドバイスしています。

ガラス固化案なんてただの時間稼ぎに過ぎませんし、斜陽している原子力学には、有能な人材は集まっていません。子供発電所とはよくいったもの。未来の命を削って発電しているんです。

だいたい40年も50年も経った機械を使い続けなければいけないこと自体がおかしい。始めに建てたときは、30年と決まっていたのに、それを40年、50年と伸ばし伸ばしにして、老朽化を放ったらかしにしてるんです。姉歯マンション並みの杜撰さです。それが放射能の詰まった原発なんですよ?

そんなボロっちい発電施設は、最新式のガスコンパインド火力発電と比べて、発電効率、安全性、すべてにおいて勝負になりません。都会の近くに置けないから(まあ、この時点でおかしい)、送電の効率もがた落ちになります。そしてなにより、すんなり止めることすらできない。一旦暴れ出したら、人間の手が付けられないシロモノなんです。こうなったら、機械というより、ナウシカの巨神兵みたいな怪物に近い。

廃炉するためには数兆円かかり、過酷事故を起こせばその数倍、数十倍かかります。それでも、発電効率が高いなんて言えますか? 原発を止めると電気代が高くなるというのを信じますか? で、さんざんバカ高い電気料金を取っておいて、廃炉にかかるカネは税金でまかなうとか、おかしいにも程があるでしょう?

*  *  *

で、もう忘れたという人もいるかと思うので付け加えますが、その当の原発が去年、4基も爆発しましたよね?


そのおかげで、原発から数十キロの国土がダメになってしまいました。そして数十万人が今もなお、自分の家に帰れずに生活しています。もう二度と自宅に帰れない人もたくさんいます。そして「ただちに影響が無い」の「ただちに」期間も過ぎようとしています。

この現実を見て、まだ、原発は要ると思いますか?

2012年12月18日火曜日

政党ではなく、政策に投票したい

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大方の予想通り、自民が圧勝しましたね。

今回の選挙はどう考えても、原発・エネルギー政策が争点になるべきだったのに、なぜか日本の国民は原発に興味を失ったようでした。つい昨年、原発が4基も爆発したばかりなのにね!

私は、自民が勝つのだろうと思いつつ、反原発を掲げた党に投票しました。電力会社と強力に癒着し、原発を作り続けてきた自民が与党に返り咲くことは、残念至極ですが、現実的に見ると、自民以外に政権を運営できる政党が無かったのも事実でしょう。

ですが、本当の意味での民主主義を実現するためには、人や政党ではなく、政策に投票できる仕組みを作るべきなのではないか、と思っています。

これは、いわゆる直接民主制ということになりますが、決して荒唐無稽なものではありません。インターネットの発達によって知識や知性が特権階級だけのものではなくなった時代だからこそ、直接民主制の実現可能性が出てきているのです。

その先駆けとしては、ハンガリーのインターネット民主党が知られています。

ただし、直接民主制を実現するためには「すべての国民が情報に対するリテラシーを自覚し、自分のアタマで考える力を持っていること」が必要です。残念ながら、現在の日本の衆愚では、成すべくも無いでしょう。

今の若い世代が、大人たちの愚かな振る舞いを見て、反面教師にしてくれれば良いのですが……。

(関連エントリ)
日本に国民主権を取り戻すインターネット政党を

2012年12月15日土曜日

放射性物質に「問題の無い量」なんてない

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664 名前: 地震雷火事名無し(大阪府)  Mail: sage 投稿日: 2012/12/02(日) 11:38:10.41  ID: raRo5CD60 

放射性物質に「問題の無い量」なんてないよ。
積算だから。

現代の奴隷制度

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あなたは気がつかないうちに、衆愚政策で奴隷にされている
http://www.bllackz.com/2012/12/blog-post_13.html#more

*  *  *

奴隷は自分が奴隷だと気付かないのだ、と。

2012年12月12日水曜日

0.5μSv/hで廃校を決断した那須町の学校

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那須の中高一貫校「無念」 在校生卒業後 廃校へ

(一部引用)
東京電力福島第一原発事故の影響で、東京都多摩市に全校避難している全寮制の中高一貫男子校「那須高原海城中学・高校」(栃木県那須町)が今後、生徒を募集しないことを決めた。校舎の周辺は放射線量が比較的高く、生徒を集めるのが難しいという。在校生の卒業を見届けて廃校になる。(石井紀代美)

校舎は、国が汚染状況の重点調査地域に指定する那須町の農村地帯にある。福島第一からは百キロ弱。正門から校舎を見ると、柱や壁に亀裂が入るなど、東日本大震災の爪痕はいまだに生々しい。

先月下旬、正門前の公道でNPOに放射線量を計測してもらったところ、地上一メートルで重点調査の基準値の毎時〇・二三マイクロシーベルトを上回る〇・五マイクロシーベルト台。地表の芝生上では〇・七~〇・八マイクロシーベルトになった

*  *  *

これ、福島じゃなくて、栃木県那須町の学校の話です。

このブログで何度も言ってるように0.6μSv/hを超える土地は、放射線管理区域に指定されなければいけません。すごく悲しい決断ですが、この学校がしたことは、法的に見ても予防原則の観点からも正しい。もともと生徒数が少ないことも理由みたいですけれど。

ところが、福島を中心に、0.6どころか、1μSv/h、はてや数μSv/hを超える土地にも、平然と人が住み、生活しているのが現状です。地表を測ったら、いったいどれだけの数値が出るのか。

間違ってはいけないのは、こんな廃校なんていう理不尽なことをしないといけない原因は、これまで原発を進めてきた政府や官僚、東電にあるということです。忘れたふりをするのではなく、怒りはちゃんと正統に向けなければいけない。

2012年11月20日火曜日

健康被害が現実のものとなるのか。

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福島県で2人目の子供の甲状腺ガン(の疑い)が発見されました。
今回の原発事故による健康被害が出始めた、のかもしれません。

原発事故以前の日本では、小児甲状腺ガンは、全国で年間5〜10例ほどとのこと。100万人に一人という確率です。これが短い期間、ひとつの県で2件出たということは、かなり疑わしい。

※ただし、この1/100万人という数字は10歳未満の初期小児期の甲状腺ガンのようです。現在、福島その他で行われているのは18歳未満の子供の検査なので、微妙に確率は異なると思われます。

一人目
甲状腺がん1人確認 福島医大「放射線の影響ない」

二人目
1人が「直ちに2次検査必要」 福島の甲状腺検査でがんの疑い

*  *  *

これを踏まえて、他県との比較調査がやっと行われるようです。本当は全国の都道府県で行うべきだと思いますが……。

長崎でも子供の甲状腺検査 環境省、福島の結果と比較

(要約)
今月7日より長崎で、福島と同様の検査を実施。青森、山梨両県でも年内に調査を始める方向で調整している。

*  *  *

この調査結果に差異が表れたら、それはそのまま放射能による健康被害と言っていいでしょう。最も注視するべき検査です。

そして! 何度も言っているように、もし福島その他の県で、小児甲状腺ガンが発現したならば、その背後に、子供・大人に関わらず、数倍、数十倍の、他の疾患が出るということです。それら、甲状腺ガン以外の疾患については、おそらく今後数十年、証明されることなく、賠償などもされないと思われます。

2012年10月29日月曜日

チェルノブイリの前例から何も学ばない愚かさ

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放射能の封じ込めと移住政策について、ソ連政府と日本政府を比較した書き込みを見つけました。具体的な事実に基づいた考察です。もったいないので残しておきます。

*  *  *

538 名前:地震雷火事名無し(新疆ウイグル自治区) :2012/10/28(日) 18:32:43.00 ID:UazlQ6lX0

旧ソ連と日本政府、どっちがマシかという議論があったが、結論からいうとソ連のほうが少しだけマシ 。

迅速で徹底的な廃炉作業という点では、ソ連は神業であった。放射能の封じ込めという点では、日本政府はゴミ、クソ。

●廃炉作業=放射能封じ込め
旧ソ連>>>>>>>>超えられない壁>>>>>>>ゴミ=日本政府

ただし、移住政策という面では旧ソ連は少しマシな程度だ。ソ連が強制移住させたのは30キロ圏内、および30キロ圏外の60の小さな村だ。 白ロシア地域では280キロ離れた高汚染地域も立ち入り禁止にした。都市を避難させたのは、プリピャチ市とチェルノブイリ市のみ。これらは、すべて86年内にすべて完了させた。しかし、それ以外では「年300ミリまでは健康に害はない」、「30キロ圏外に汚染地帯はない」と言いはった。

●移住政策(事故からすぐの)
旧ソ連>>日本政府

事故から3〜4年後、30キロ圏外の汚染地域で白血病やその他の疾患、家畜の奇形の増大、などの異常事態が表面化し、住民(とくに子供をもった家族)の自主避難が加速する。

ベラルーシでは100万人が避難したとも言われている。この事態に直面して、旧ソ連政府も移住政策の必要性に舵を切り、年5ミリを強制避難、年1ミリ〜5ミリを移住権利地域とする 「チェルノブイリ法」(90年)を制定する。

しかし、89年の東欧革命、10年にもわたるアフガン戦争の重圧などに苦しめられていた大国ソ連は、 放射能問題によるファイナル・ブローを受けて、もろくも崩壊してしまう(91年12月)。汚染地帯のベラルーシ、ウクライナを切り離し(見捨てて)、 ロシア共和国の自存の道を選ぶ。ウクライナやベラルーシは日本の名目GDPの100分の1程度の貧困国だが、チェルノブイリ法を受け継ぎ、移住政策を進める。

95年にはウクライナはポレスコ市を移住対象地域にする(都市としてはプリピャチ、チェルノブイリ市に次ぐ第三の大規模移住)。

●都市の移住
ソ連政府≒日本政府の4〜10年後??

結論 何十万もの都市圏を移住させることは旧ソ連もほとんどやっていない。これは日本の将来にも示唆的では?  福島市、郡山市、一関市、柏市といった大都市の住民を強制移住させることは、クソ・ゴミレベルの日本政府は間違いなくやらないだろう。

自分で逃げるしかない。あと、ソ連は崩壊したが、日本は崩壊しない。あまりにも両者の置かれた状況が異なるから。 日本は緩やかに衰弱死するだけ。

(以上)

*  *  *

文中ではソ連が「少しだけマシ」となっていますが、これには同意できません。

日本にはチェルノブイリという前例を参考にできるという、計り知れないアドバンテージがありました。でも現実には、チェルノブイリの教訓はまったく生かされず、それどころか、汚染されたガレキや食品を全国にばらまくというソ連もしなかった愚行を犯しています。

このことを考えると日本政府はソ連の足元にも及ばないほどダメだという結論になります。


2012年10月24日水曜日

問題が一向に収束しない現状を見ても、いまだ無関心な人たちを疑問に思う

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まずニュース2つ。

岩手県の子供132人中、119人の尿からセシウムを検出
※“岩手県”で検査した子供の“9割”の尿中から最大6ベクレル/リットルのセシウムが検出されたというニュース。

爆発リスク回避へ 圧力抑制室への窒素の注入作業を開始/福島1号機
※いまだに、爆発リスクがある、ということです。

*  *  *

原発が爆発しても、まったく無関心に生きてきた人たちは、あれから1年半が経ってもまだ爆発リスクだの、子供の尿からセシウム検出だの、と一向に収まらない現状をどう思っているのだろうか。

そんな人たちは、事故当初、政府の発表やテレビのニュースを見て「何も問題は無く、すぐに収まる」と思っていたんじゃないのか。でも、全然“すぐに”収まってない。予想が外れた場合は、普通、考えを改めるもんじゃないのか。

私が今も東京に戻らないのは、家族を放射能から遠ざけることが第一の目的ですが、それと同時に、問題は何も解決していない、ということを周りに表明する意味合いもあるのです。

原子力ムラの狙い通り、もはや無関心を通り越して、不感症になっているのか。このままでは、健康被害が出ても黙殺されそうで恐い。

2012年10月21日日曜日

102.8ベクレルは四捨五入すれば100ベクレルになる→「十分に安全」だと福島県

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コメ検査で基準値上限=「十分に安全」と県―福島
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121018-00000181-jij-soci

福島県は18日、2012年産米のモニタリング検査で、同県いわき市で生産されたコメから放射性セシウムの基準値の限度いっぱいの1キロ当たり100ベクレルが検出されたと発表した。基準値は超えておらず、県は「十分に安全」(水田畑作課)としている。

県によると、いわき市の旧川部村で16日に採取した玄米で、セシウム134が39.6ベクレル、セシウム137が63.2ベクレル検出された。合計すれば102.8ベクレルで基準値を上回るが、厚生労働省は「(合計値の)3桁目を四捨五入し、有効数字2桁とする」と7月5日付で通知しており、これに従うと100ベクレルちょうどになる。

県は安全性確保のため、一定数のサンプルを採取して行うモニタリング検査に加え、全ての県産米(約1200万袋)を対象に全袋検査を実施中。これまでに、いずれの検査でも基準値を超えるセシウムは見つかっていない。

*  *  *

もう今さらですが、日本国民が完全にバカ扱いされてます。こんなバカげた施策を許しておいて、後で病気になったときに泣き寝入りするんですか? するんでしょうねえ。

米は毎日食べるもので、摂取量が多いため、セシウムその他の放射性物質の蓄積が大きいものです。それらは心筋などの筋肉に溜まり、後々に影響を及ぼします。

まあ、よっぽどのバカが買わない限り、こうした怪しいお米の多くは、学校給食や加工食品、外食産業に流れるのでしょう。

2012年10月19日金曜日

予防原則ということ。(武田教授の緊急提言)

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武田邦彦教授の緊急提言を転載します。
先の福島の子供の甲状腺調査を受けてのものです。
リンク先には音声もあります。

*  *  *

Help!! 緊急提言1 国と専門家の大転換を求める
http://takedanet.com/2012/10/help_d1fe.html

(転載)
この緊急提言を行うきっかけは福島の子どもたちの甲状腺異常です。次の事実を踏まえて提言をします。でも、この提言の内容は2010年までは日本の常識であり、むしろマスコミ、知識人などが主張していた事でもあります。また、Helpと冒頭につけたのは、被曝が進んでいる子どもたちの声を代わりに言いました。子どもたちは教育委員会、自治体、農家と違って声が小さく、被害だけを受けています。

1)通常の小児の甲状腺異常(結節など)は100人に1人程度。多くても3人。
2)福島の子どもたちの100人に約40人に異常が発見され、特に小学生の女児は55人に及んだ。
3)甲状腺異常がガンになるのは大人で100人に数人だが、子どもは20人から30人(小児科専門医からの情報による)。
4)放射線の被曝による損害は5年(大人、子どものデータは不足しているが3年ぐらい)の余裕がある。
5)従って、被曝による影響は「重大あるいは取り返しのつかない損害」が発生する可能性がある。

これを踏まえて、
まず第一に、日本が国際的に約束している「予防原則」に立脚すること、

予防原則:  原則15:環境を防御するため各国はその能力に応じて予防的方策を広く講じなければならない。重大あるいは取り返しのつかない損害の恐れがあるところでは、十分な科学的確実性がないことを、環境悪化を防ぐ費用対効果の高い対策を引き伸ばす理由にしてはならない。」(RIO DE JANEIRO DECLARATION 1992)

この予防原則は日本も参加した国際宣言であり、環境を大切にすると言ってきた日本がこれを破ることはできない。すでに事実の一部が福島で明らかになっている。

また、チェルノブイリの事故の前後で、ベラルーシとウクライナの人口が急減している。人口減少の主たる原因が死亡率の増加と出生率の低下であることが明からで、チェルノブイリの事故との因果関係について「科学的確実性」をもっていないが、福島、関東、東北の人口が急減する可能性が高い。

これだけの証拠があって、「科学的確実性」を求めて対策を遅らすことは不適切である。

政治、専門家は一日でも早く、予防原則に戻り、国民に対する誠意を取り戻さなければならない。それができなければ政府、自治体の責任ある立場の人は退陣し、かつ起こったことのすべてに私財を投じて弁済しなければならない。
(平成24年10月18日)

武田邦彦

*  *  *

重大あるいは取り返しのつかない損害の恐れがあるところでは、十分な科学的確実性がないことを、環境悪化を防ぐ費用対効果の高い対策を引き伸ばす理由にしてはならない。

いつまで経っても予防原則を理解しない、市井の賢しげな人々。いわんや行政、学会においてをや。

2012年10月17日水曜日

免疫・心臓系の疾病が増加したというニュース

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原発事故の放射能と関連あるかは分かりませんが、無碍に無関係と決めつけることもできない、ちょっと気になるニュース。


●マイコプラズマ肺炎 →前年比3〜4倍
●RSウイルス感染者 →昨年比2.6倍
●心不全、ACS、脳卒中 →有意に増加
●劇症型溶血性レンサ球菌感染症(人食いバクテリア)→昨年比1.6倍
●東日本の高速道路 →死亡事故激増

放射能が引き起こす疾患は甲状腺障害だけではなく、免疫系、心臓を中心として、あらゆる分野に渡ると言われています。高速道路の死亡事故は、急な心筋梗塞なども考えられるかと。

以下ソース

冬の病、早くも猛威 マイコプラズマ肺炎、RSウイルスが流行
http://sankei.jp.msn.com/life/news/121006/bdy12100621400002-n1.htm

東日本大震災後に心不全が有意に増加、ACS、脳卒中も
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/jcs2012/201203/524102.html

人食いバクテリアで30代“突然死”も
http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/40262/

NEXCO東日本、高速道路の死亡事故が激増中と注意を呼びかけ
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20120730_550001.html

追記:2012/10/24

こんなニュースも。
児童の視力低下、緑内障といった目の疾患もチェルノブイリでは多く報告されています。

2012年10月2日火曜日

東北・関東の食品、98品目1386件が100ベクレル超え

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100ベクレル超え 98品目1386件 水産物やキノコ 全検査品の1.2%
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012100202000125.html

*  *  *

なんだかダウンロードなんとか法案とかで、記事本文の転載がダメ? なのかな?
よく分かりませんが、まあ記事タイトルの通り。詳しくはリンク先で。

今ちょっと忙しいので多くは語りませんが、私も食べ物に関しては事故当初よりある程度ユルくはなっています。今までの経緯を見ての判断です。

で、誰かと一緒にご飯を食べるときなどは「宗教上の理由で」と断って、海産物とキノコは食べていません。まあ、理解のある人としか食事はしないので、特に困ったこともありません。

あと、これらの食材は、東北関東だけでなく全国に行ってると思います。

2012年9月28日金曜日

超・超高濃度汚染地域で食べ歩き?

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福島市がまるごと博…温泉巡り、食べ歩き、お祭り
http://www.yomiuri.co.jp/feature/eq2011/information/20120927-OYT8T00557.htm

(引用)
7地域が「パビリオン」

福島市全域を博覧会の会場に見立て、観光客の呼び込みを図る「福島市こでらんに博」が29日、開幕する。

東京電力福島第一原発事故による風評被害を吹き飛ばそうと、それぞれの地域の魅力やイベントを季節ごとにPRし、足かけ3年続ける計画だ。

震災復興の象徴として、市や観光関係団体などが企画した。「こでらんに」は「こたえられない」の福島の方言で、「最高だ」「たまらない」の意味。市内を「街なか」「湯のまち」「自然たっぷり」の三つのゾーンに分け、パビリオンと称した計7地域を設定した。

「飯坂パビリオン」は、飯坂温泉巡りや果物狩りなどを紹介。「街なか」ではJR福島駅を起点に、名物「円盤餃子ギョーザ」の食べ歩きや買い物のほか、県産米を使った巨大パエリア作りなどの催しが楽しめる。「全日本曲技飛行競技会」「まつかわ提灯ちょうちん祭り」といった恒例イベントも組み込んだ。

博覧会は29日夜、地元ミュージシャンのライブで幕を開ける。10月20日には中心部の広場で記念イベントを行い、お笑いタレントや、公募で集まった女性ダンスユニットが出演する。

実行委員会は開幕に合わせて、今年秋から冬にかけての見所を盛り込んだガイド本を20万部発行。博覧会は2014年12月までの予定で、季節ごとにガイド本を作成する。実行委事務局長の水口和栄さん(61)は「福島が風評被害に負けず、元気に頑張っている姿を見てほしい」と話している。

ガイド本は市内の観光案内所のほか、ホームページ(http://www.koderanni.jp/)で入手できる。

(2012年9月27日  読売新聞)

*  *  *

ホント、いい加減にして欲しい。以前、ガイガーカウンターで測定している動画を貼りましたが、福島駅前のベンチ上で9μSv/h出てるんですよ? それでも子供をこのイベントに行かせますか? 今、この段になって、この数値の意味が分からない親は、親失格でしょう。

武田先生もブログ内で、このイベントの中止を求めて叫ばれていました。

2012年9月23日日曜日

福島の子どもの甲状腺検査について

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めっきり更新頻度が落ちた当ブログですが、今でもずっと情報は追いかけているんです。で、ちょっと前に話題になった福島の子どもたちの甲状腺検査について、思うところを。

しょこたんもブログで書いていたくらいですから、大抵の人は知っているかと思いますが、8月末に出たこのニュースです。

福島県内の子供36%にしこり 福島以外でも甲状腺検査へ 
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120827/trd12082711260006-n1.htm

36%というと3人に1人に異常が出た、と。これだけを見ればショッキングに思えますが、それで慌てるのはまだ早いと思っています。これはあくまで検査フォーマットの基準値だからです。

といいつつ、あの山下氏が2000年に長崎県で調べたときは0.8%だったとか、第1回から第3回まで検査が行われており、回数を重ねるうちに、甲状腺異常の数が増加しているといった情報もあります。でもどうにも、素人にはそれを精査することが難しい。なので今のところ、私はまだ何も断定していません。

甲状腺ののう胞や結節自体は珍しいものではなく、年齢を重ねるにしたがって、かなりの人になんらかの異常が見られるようです。ただ、小さな子どもにできることは稀らしいのですが、超音波検査によってかなり小さいものも検出できてしまう、とかなんとかかんとか。

ただ、原発事故の影響として、政府がまず最初に認めるとしたら、それは間違い無く子どもの甲状腺異常です。逆に言えば、それ以外の疾患が認められることは、少なくとも数年間は無いでしょう。これはチェルノブイリの経過・結果から容易に推測できます。

従って、子どもの甲状腺ガン・甲状腺機能障害は我々全員が最も注目しておかなければいけないものです。原発事故によって健康被害が出るのか出ないのかは、この甲状腺検査が複数回行われることで、あきらかになるでしょう。

このエントリのトップに貼った写真は、今回の検査の様子を撮ったもので、親御さんがTwitterでアップしたものです。すごく大切な写真だと思ったので、転載させてもらいました。もし問題があれば、申し訳ありませんが、ご連絡ください。

今後の検査結果がどうであれ、この痛々しい姿を見るだけで、東電と政府がどれだけ大きな犯罪を犯したのかが、分かります。

2012年9月11日火曜日

川崎市・阿部市長「セシウム入り給食食材は、危険の中で生活していることを子どもたちに知って貰うために、今後も使い続ける」

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(テキスト起こし)
セシウム検出食材 給食使用
市長「危険知ることが大事」

川崎市の小学校給食で、放射性セシウムを含むと分かった県産冷凍ミカンや山形県産リンゴ缶詰を使うことについて、阿部孝夫市長は四日の会見で「危険の中で生活していることを子どもたちが知ることが大事だ」と語り、教育的側面からの使用を強調した。

市の検査で、冷凍ミカンは1キログラム当たり9.1ベクレル、リンゴ缶詰は同1.6ベクレルの放射性セシウムを検出。市では、国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を下回っていることから、冷凍ミカンは四月から給食で出しており、リンゴ缶詰は九月から使用。

横浜市や鎌倉市が冷凍ミカンの使用を見合わせていることへの質問に、阿部市長は「このレベルでビクビクする教育をすることが間違い」とし、「道路では車にぶつかる危険性があり、すれ違ったあかの他人に刺される可能性もある。だから人とすれ違うな、と教育しますか?」とも。

納得していない保護者もいるが、「ビクビクしなさんな」と話した。
(ここまで)

*  *  *

なんぞこれ?と思い、とりあえずアップしましたが、いまいち意味が分かりません。とにかく川崎市で小学校に通うお子さんは、給食から強制的にセシウムを摂らされるということです。

*  *  *

分かりやすいコメントがありました。


932 名前: 地震雷火事名無し(新疆ウイグル自治区)  Mail:  投稿日: 2012/09/12(水) 02:32:00.64  ID: NC5LdNvW0 
>>915

セシウムをヒ素とか水銀とか変えてみると、すげ~こと言ってると分かるw

「人間は危険の中で生活していることを知れ」
神奈川の小学校、”教育として”ヒ素入り給食を子供に強要

*  *  *

追記:2012/09/19

コメントもらった匿名さんより。
こちらに会見の全文があります。
http://www.city.kawasaki.jp/25/25koho/home/kisya/pdf/120904-1.pdf

2012年8月27日月曜日

山下俊一・福島医大副学長「がんになっても訴訟を起こさないでね」

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クローズアップ2012:福島・子供の甲状腺検査 山下俊一・福島医大副学長(甲状腺検査責任者)の話
http://mainichi.jp/opinion/news/20120826ddm003040168000c.html

(一部引用)
−−放射線の影響をどう判断するのか。

 ◆小さながんも見つかるだろうが、甲状腺がんは通常でも一定の頻度で発症する。結論の方向性が出るのは10年以上後になる。県民と我々が対立関係になってはいけない。日本という国が崩壊しないよう導きたい。チェルノブイリ事故後、ウクライナでは健康影響を巡る訴訟が多発し、補償費用が国家予算を圧迫した。そうなった時の最終的な被害者は国民だ。

*  *  *

あれ? ニコニコ笑ってたら放射能の影響は出ないんじゃなかったっけ?

この山下俊一氏の発言、いまいちよく分からない言い回しですが、要するに「もし健康被害が出て訴訟が多発したら、困るのはあなたたちですよ。だから訴訟は起こさないでね」と、そういうことですよね多分。

あと気になるのは次の言葉。

>結論の方向性が出るのは10年以上後になる

思うに「結論の方向性が出る」というのは「国民の大多数に原発事故の真実が伝わる」ということなのでは?

私は10年以上と言わず、あと数年で、今回の原発事故の影響をある程度予測できるデータが出てくるのではないかと考えています。

2012年8月13日月曜日

「健康被害は出ないと言え」福島県知事→東電

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「健康被害ない」と広報を 爆発直後、福島県が東電に要請か
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/08/20120809t61003.htm

(引用)
福島第1原発3号機で昨年3月14日に起きた水素爆発の直後、福島県が東京電力に「健康被害の心配はない」とする文言を報道発表資料に記載するよう要請していたことが8日、東電が報道関係者に公開している社内テレビ会議の録画映像で分かった。

映像によると、昨年3月14日午後1時20分ごろ、東電広報班が同社福島事務所からの依頼として「3号機の爆発に関するプレス(報道発表)文に、福島県知事から『いま北西の風が吹いており、観測された放射線量から健康に被害が出る心配はない』という文言を入れたい、入れてほしいという話があった」と東電本店非常災害対策室に連絡した。

対策室は健康被害に言及することに難色を示し、「(放射性物質が風に)揺られて戻ってくることもある。拡散作用で薄くなっているとは思うが(健康被害の心配はないと)言い切るのはリスキー(危険)だ」と指摘。「(首相)官邸に県知事からこういう意見が出てますと言ってほしい」と回答して結局、報道発表資料に記載されなかった。

3号機の水素爆発は14日午前11時ごろ発生。文部科学省所管の緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の拡散予測データでは、14日は午前中から太平洋方向への西風が吹いていたが、同日深夜に風向きが南に変わり、翌15日昼すぎには西や北西など内陸方向に吹いていた。

県原子力安全対策課は「当時の状況や経緯は分からないが、根拠にした線量は東電の測定データだと推測される。一般的に東電の報道発表の表現について助言したり、感想を述べたりすることはある」と話している。

*  *  *

福島県知事である佐藤雄平は、民主党・渡部恒三の甥で元参院議員、で、福一の三号機にMOX燃料を受け入れた人です。

原発が爆発した後、SPEEDIのデータを隠蔽して、安定ヨウ素剤を配布せず、福島で健康被害は無いとアナウンスしろと要請して、福島県から人が出ないよう近県に通達するような人です。

それでこの人は、いまだに福島県の知事なんです。県民は自分の財布かなんかだと考えているのでしょう。

2012年8月8日水曜日

原発が必要ないことがよく分かるQ&A

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原発情報スレに分かりやすいQ&Aがあったので転載します。

*  *  *

Q1「原発を止めるというのなら代案を出せ」

A1 LNGガスタービンは工期約1年、ガスタービンメーカーからのリースもあります。既存の火力発電所の敷地に設置したり、一基あたり11.25万kW以下であれば、環境アセスも不要(アセス免除もあり)。当面はこれの増設や、IPP(卸電力事業電力者)からの買電拡大、ピーク時に電気を節約してもらう代わりに料金を安くする契約の拡大、休眠火力の復活等で、電力ピークを乗り切れます。(東京電力、東北電力、中部電力管内では、このような取り組みによって、既に原発抜きでの夏場の供給力確保を達成しました。つまり供給力の面では、もう脱原発しちゃいました!)

Q2「ガスタービンじゃ燃費が悪いだろう」

A2 ガスタービンは、後付けでコンバインドサイクル化が可能で、その場合の熱効率は約60%と、原子力発電の2倍もの効率になります。ちなみに、PPSの川崎天然ガス発電所(84万kW)は、福島第1原発(470万kw)の約1/60の敷地で、出力あたりの敷地面積では約10分の1しか必要としません。このため都市近郊に設置でき、送電ロスがありません。川崎天然ガス発電所では、この狭い敷地で、さらに発電量を2倍以上に拡大することを計画しています。

Q3「火力は燃料代がかさむ」

A3 石炭はもとから一番安いです。LNGについては、日本の電力会社は、LNGを米国の8倍、韓国の3倍、イギリスの2倍で調達しており、これを常識的な国際価格で調達するだけで、燃料代はむしろ下がります。シェールガスの採掘本格化で、LNGの国際価格は大幅に下がっています。カナダやアメリカのシェールガス調達については、既に商社やガス会社が活発に取り組みを進めています。

Q4「火力では、中東やロシアに命綱を握られる」

A4 火力発電の主力は石炭とLNGです。石炭の輸入元は、オーストラリアとインドネシアで約83%(2008年度)を占め、中東・ロシアに一極集中していません。同じくLNGの輸入元は、インドネシア、マレーシア、オーストラリア、ブルネイで約67%(2008年度)を占め、同じく中東・ロシアに一極集中していません。また、今後はカナダのシェールガス等が加わり、LNGの輸入元はさらに多様化されます。

Q5「戦争などで輸入が止まったらどうするんだ」

A5 戦争や大規模テロで、日本への輸入が途絶するような事態では、攻撃目標となる原発は、危なくて動かせません。また日本への直接攻撃がなくても、石油がなくなって、乗用車やトラックや火力発電所も動かせない事態になっては、原発も動かせません。そういう国家的緊急事態への備えとしては、原発よりも、石炭の備蓄や有事増産の方が有効です。石炭は発電に使えるのに加え、第2次世界大戦時のドイツのようにフィッシャー・トロプシュ法で人造石油も作れるので、輸送部門のエネルギーとしても使えます。備蓄は、遊休工業団地に野積みしておくだけで、屋根やカバーすらいりません。また、コストの面で輸入より高くなってしまいますが、釧路炭鉱だけでも日本の石炭使用量の10年分以上の埋蔵量があります。このように、有事に頼りになる真の国産エネルギーは、原発ではなく石炭です。

Q6「CO2はどうするんだ」

A6 旧式火力を、LNGガスタービンコンバインドサイクルや、石炭ガス化コンバインドサイクルなどの最新火力に、積極的にリプレースすることで、燃費がアップして、同じ発電量でもCO2が減らせます。またこれによって火力の発電単価はさらに下がります。中長期的なスパンであれば、地熱や風力等の再生可能エネルギーの割合を増やすことも十分可能です。そもそも、CO2が地球温暖化の原因であること自体について、近年では疑いがもたれています。

Q7「原発を止めたら潜在的核抑止力がなくなるぞ。将来の核武装もできなくなる」

A7 軽水炉のプルトニウムは239の割合が低く、これで核兵器を製造するのは不可能です。239だけを分離することも物理的にできません。高速増殖炉もんじゅは増殖率が低く(数十年運転してやっと2倍)、トラブル続きで前途も絶望です。なので、核兵器製造用には、別途、黒鉛炉か重水炉を建設することと、国産ウランの確保が不可欠です。また、核武装時にはウランが禁輸されますので、電力会社の軽水炉はむしろ、核武装の足手まといにしかなっていません。

Q8「うるさい!黙れ!馬鹿野郎!現実を見ろ!原発再稼働しないと、とにかく日本経済は死ぬんだ馬鹿もんが!」

A8 あなた方が現実を見て下さい。原発再稼働しないと死ぬのは、日本経済ではなく、原発利権屋さんだけです。そもそも、使用済み核燃料の最終処分はどうするんですか?あと10年ちょっとで、中間貯蔵は満杯ですよ。最終処分場の選定は?地盤の安定した欧米でも、最終処分場実験施設は、地下500mくらいの深度。日本ではもっと深く掘る必要がありますよ。そんな大深度地下施設を、少なくとも約6~7km2も建設する必要があります。エヴァンゲリオンの秘密基地じゃあるまいし、あと10年ちょっとで、いったいどうするつもりなんですか?

Q9「原発反対派は感情的!原発反対派は左翼!原発反対派は無責任!代案を出せ!代案を出せ!代案を出せ!」

A9「だめだこりゃ ┐(´ー`)┌」(←今ここ)

2012年7月27日金曜日

「秘密保全法」の怖さを知っていますか?

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なにやらまたおかしな法律を作ろうとしているみたい。なんで、転載します。
「一番町法律事務所」のHPから。

*  *  *

「秘密保全法」の怖さを知っていますか?
http://www.1-lawyers.com/lawyersblog/?p=195

(引用)
「秘密保全法」が延長国会に提出されそうです。法律家として黙っていられないので、解説します。

この法律が成立すると、政府が国民に知らせたくない情報(たとえば、あの「原発ムラ」の秘密情報)を「特別秘密」だと政府が決めれば、国民に隠すことができるようになります。

逆に、公務員や原発研究者・原発技術者などの「取扱業務者」が国民に知らせると懲役10年!になります。国民が原発情報の公開を求めてデモ行進を呼びかけただけでも「不法な方法」による「特定取得行為」とされて処罰されかねません。

しかも、「特別秘密」を扱える国民と扱わせない国民に2分するための「適性評価制度」という「国民選別制度」まで導入するのです。適性評価のための調査内容は、他人に知られたくないプライバシー全体にまでおよび、調査対象は、家族・親戚・恋人・友人・・と無限に広がってゆきます。

これって、秘密警察国家ですよね。

マスコミの取材活動も制限されるというのに、なぜかマスコミが報道しないので、ほとんどの国民は「秘密保全法」の怖さを知りません。

「悪法は、気づいたときに、できている」。こんなことにならないように、貴方のまわりの方に伝えてくれませんか。日弁連のHPには、詳しい意見書も掲載されています。

ご依頼があれば「出前授業」もしますので、ご連絡下さい。(小野寺)

(ここまで)

*  *  *

2012年7月21日土曜日

線量計に鉛板、東電下請けが指示 原発作業で被曝偽装

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線量計に鉛板、東電下請けが指示 原発作業で被曝偽装

(引用)
東京電力が発注した福島第一原発の復旧工事で、下請け会社の役員が昨年12月、厚さ数ミリの鉛のカバーで放射線の線量計を覆うよう作業員に指示していたことがわかった。法令で上限が決まっている作業員の被曝(ひばく)線量を少なく見せかける偽装工作とみられる。朝日新聞の取材に、複数の作業員が鉛カバーを装着して作業したことを認めた。役員は指示したことも装着したことも否定している。厚生労働省は、労働安全衛生法に違反する疑いがあるとして調査を始めた。

朝日新聞は、福島県の中堅建設会社である下請け会社「ビルドアップ」の役員(54)が偽装工作したことを示す録音記録を入手した。昨年12月2日夜、作業員の宿舎だった福島県いわき市の旅館で、役員とのやりとりを作業員が携帯電話で録音していた。

役員はその前日、作業チーム約10人に対し、胸ポケットに入るほどの大きさの線量計「APD」を鉛カバーで覆うよう指示した。だが3人が拒んだため、2日夜に会社側3人と話し合いがもたれた。役員は録音内容を否定するが、この場にいた複数の作業員が事実関係を認めている。


*  *  *

なんかこのニュースが騒がれてるっぽかったので紹介しておきます。私にとっては、それほどインパクト無いんですけどねこのニュース。正直、世間が何に反応するのかが、よく分からない。

自分たちの保身のためなら、どんなことでもやりますよ東電の幹部は。下請けに責任を押しつけるなんて序の口です。まあ、福1で働く人は、今後数年で居なくなるんじゃないですかね。すでに外国人も入れているみたいですけど……。

2012年7月17日火曜日

福島の後に沈黙している事は、野蛮だ。

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さよなら原発“大集会”で、坂本龍一氏が檀上で言った言葉が賛否両論を呼んでいます。

「たかが電気です。たかが電気の為に、美しい日本とに本の未来の子供達の命を危険にさらしてはいけない。金より命です。子供を守りましょう。国土を守りましょう。福島の後に沈黙している事は、野蛮だ。」

*  *  *

この言葉に批判的な人たちは「たかが電気」というフレーズに反応しているようです。その意見はだいたい、脊髄反射で怒り心頭の幼児的なものか、冷静ポーズをとり続ける似非インテリのどちらか。

坂本氏の言う「たかが電気」というのは、電気の必要性を軽んじたものではなく、命を危険にさらすことはない、という意味での「たかが」ですよ?

電気はガスコンパインド火力でも、水力でも風力でも太陽光でも潮力でも作れます。その「たかが電気」を国土と人命を奪う原子力で作る必要はまったく無い、ということです。なんでこんな簡単なことが分からないのか!

*  *  *

それより、印象に残ったのは最後の言葉。
「福島の後に沈黙している事は、野蛮だ。」

3.11以前から、私は日本特有の暗黙の了解に少々の違和感を持っていましたが、あの事故以来、その理由が分かってきました。現代に生きる日本人の多くは、空気を読むことと、人との繋がり(絆?)だけを指針として行動しているのです。

彼らは人当たりが良く、仕事も出来るし、アタマも良い。ですが、本当の意味での教養と知性、論理的思考が欠けている。日本は経済的には成功しましたが、精神的、文化的には非常に幼い。むしろ経済発展によって、知性を失ったのかもしれません。それが「不作為の野蛮」に繋がるのです。

少しも大げさでなく、原発の有無は人類の存亡に関わっています。日本で起きた原発のシビアアクシデントを、科学文明の転換点としなくてはいけません。今日の大集会を見れば、遅いけれども着実に、脱原発の動きは大きくなっています。なんとか間に合って欲しい。

といっても何もデモだけが行動ではありません。
とりま、パブリックコメントを送りましょう!

パブコメで未来を変えよう
http://publiccomment.wordpress.com/

2012年7月16日月曜日

発送電分離の実現を見守ろう

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発送電分離、新規参入促す 広域融通も容易に

(引用)
経済産業省の電力システム改革専門委員会は13日、電力会社の発電事業と送配電事業をわける「発送電分離」の方向性を打ち出した。電力会社以外の事業者に使いやすい送配電網を日本全域で整え、事業者間の競争を後押しする。地域間での電気の融通もしやすくなる。ただ分離方法の最終決定は年末に先送りし、制度設計への詰めを残している。

専門委は新たな分離方法として3案を検討してきた。「機能分離」と「法的分離」と「所有分離」の3つだ。このうち発電と送配電を手掛ける事業者を完全に切り離す所有分離には、電力各社が強く反発。電力会社は保有する送電線網も担保に社債を発行しており、送電線網を電力会社から切り離せば、問題が社債にも波及する。このため専門委も所有分離は「将来的検討課題」として事実上除外した。

■2案とも課題

残した2案のうち、機能分離は電力会社の組織をいじらずに、送配電網の管理を外部の独立した系統運用機関に委託する仕組みだ。中立性や運営の透明性が高まると期待できる半面、システムを移すコストがかさむ。

一方、法的分離は電力会社を持ち株会社にして傘下に送配電会社を置く。発電、送電、小売りなど部門ごとに会計も区分する。ただ、部門間でコストをつけ替える余地は残る。分社化はさほどコストはかからないが、時間がかかる可能性が高い。系統運用機関には電力会社の供給区域間をつなぐ連系線の管理だけ委託する。

両案とも課題を残すとはいえ、発送電分離で生まれるメリットは小さくない。

■再生エネに弾み

電力会社以外の発電事業者にも利用しやすい送配電網ができ、新規参入を後押しできる。太陽光など再生可能エネルギーの導入にも弾みがつくなど競争が進む。発送電分離は家庭向けも含めた電力の自由化を進める大前提でもある。事業者間の競争は電気料金の水準を抑える効果も期待できる。

欧米では1980年代から発送電分離が進む。欧州各国は96年の欧州連合(EU)指令に基づき、電力市場の自由化を進めている。自由化に際し、発送電を手掛ける会社が新規参入を妨害しないよう、発送電の分離を義務付けた。仏電力(EDF)は送電と配電部門をそれぞれ子会社化し、独大手電力のイーオンは送電部門を売却するなど構造分離が進む。米国では発送電分離は各州の判断に委ねている。

発送電分離に併せ、連系線をより強く太くするので、地域間の電気の融通がスムーズに進む可能性もある。東日本大震災では余力のある西日本から東日本へスムーズに融通できなかったが、有事の電力需給が安定する効果は大きい。

中長期的なシステム改革を進める前に、足元の電力需給を安定させる必要もある。国内に50基ある原子力発電所は今、関西電力大飯原発3号機がフル稼働しているだけで、国内の電力需給には不安が生じている。原子力安全行政を一元化する原子力規制委員会の設置にもなお時間がかかる見通しだ。(ここまで)

*  *  *

2日前に大事なニュースが出ていました。

福島第一原子力発電所の致命的な事故で明確になった、原子力ムラと電力利権の深い闇。この問題にメスを入れるためには、発送電分離が必要です。事故から1年半経って、やっと、その兆しが見えてきました。

この年末に、分離方法が最終決定されるとのこと。発送電分離が必要な理由は、エネルギー市場に正しい競争原理を作り出すためです。制度設計が骨抜きにならないよう、しっかりと監視していかなくてはいけません。

2012年7月13日金曜日

電気が余っても脅迫節電

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火電停止は電力余剰だった! 関電京都支店広報が明かす
http://www.kyoto-minpo.net/archives/2012/07/13/post_8889.php

関西電力が火力発電8基を停止させたのは、原発再稼働により電力に余りがあるためだった─こんな事実が11日、関電京都支店の総務・広報グループの担当者の発言で明らかになりました。

同日、京都自治労連(池田豊委員長)が行った関電京都支店への要請で関電側が回答しました。自治労連側が火力発電の停止について問いただしたのに対し、電力需要に合わせて停止したもので、原発再稼働を受けて停止したものもあると発言しました。

関電は大飯原発3号機が9日にフル稼働し、同日に火力発電所8基を停止させていました。同社は、原発の再稼働以降も計画停電の可能性があるとして、府民に節電を呼びかけています。

*  *  *

橋下氏は、病院の停電は困るとかなんだかで、結局、再稼働を容認しました。で、結局電気は足りて、余ってる状態。それで節電を呼びかけてるんです。

1年半も火力や水力などの電力確保を進めてこなかった電力会社を責めることもなく、ただ盲目的に脅迫節電に従う庶民。あわれです。

2012年7月8日日曜日

英国紙が国会事故調に苦言

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福島第1原発 「国民性が事故拡大」 英各紙、国会事故調報告に苦言

【ロンドン=内藤泰朗】東京電力福島第1原発事故の国会事故調査委員会が5日に最終報告書を提出したことについて、英各紙は日本文化に根ざした習慣や規則、権威に従順な日本人の国民性が事故を拡大させたとする点を強調し、「日本的な大惨事」に苦言を呈する報道が目立った。

ガーディアン紙は「フクシマの惨事の中心にあった日本文化の特徴」と題した記事で報告書の前文を引用し、島国の慣習や権威に責任を問わない姿勢が事故原因の一端にあるとする報告書の内容を伝えた。6日にも「文化の名の下に隠れるフクシマ・リポート」と題した記事で、「重大な報告書と文化を混同することは混乱したメッセージを世界に与える」と批判した。

一方、「非常に日本的な大惨事」との見出しで報じたタイムズ紙(6日付)も「過ちは日本が国全体で起こしたものではなく、個人が責任を負い、彼らの不作為が罰せられるべきものだ。集団で責任を負う文化では問題を乗り越えることはできない」とコメントした。(ここまで)

*  *  *

確かに「日本文化に根ざした習慣や規則、権威に従順な日本人の国民性が事故を拡大させた」ことも事実でしょう。ですが、これだけの大事故が起きて、誰も責任を取らないままとなると、日本は法治国家でも民主国家でもなくなります。

日本の国民性って、恥の文化だったんじゃなかったっけ? あまりうまく言えませんが、権威の責任を追及しないということは、下々の庶民も結局は保身したいから、なんです。

今の日本には恥知らずしかいないのでしょうか。下の赤字部分が、今回の原発事故の問題点を簡潔に言い表しています。

産経新聞はこの記事で、菅首相ひとりに全責任を負わせたいのかも知れません。でも、責任を取るべき人たちは、まあ菅首相も含めて、他にもたくさんいますよね。

日本を国家として成り立たせるなら、国民が彼らを断罪するしかありません。

2012年7月1日日曜日

今日本で起きていること

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このスクリーンショットは、今現在、大飯原発前で行われているデモです。ユーストリームで岩上安身氏のIWJがずっとその様子を中継してくれています。

夕方ごろかな、NHKが香港のデモを報道していました。音声を消して流していたので、内容はよく分かりませんでしたが、首相官邸前デモも大飯デモも、そのときのニュースには出てきませんでした。

デモに対する見方はいろいろあります。どこか醒めて見ている部分は私にもあり、また同時に、とにかく声を上げることの大切さを痛感したりもしています。

デモへの考えはいろいろあるにせよ、それが事実、今の日本で起こっている、と報道することはまったくもって必要でしょう? エジプト、リビアのデモは報道したのに、なぜ自国のデモは黙殺するのか。香港のデモの前に日本のデモを報道しろ、と。

もはや周知の事実ですが、現在の日本では、テレビ、新聞は、報道することを放棄しており、大手広告代理店を通した、権力側からの洗脳装置となっています。なぜかCMの無いNHKも含めて。

2012年6月29日金曜日

首相官邸前の熱気

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毎週、金曜日毎にどんどんと人が増えている大飯原発再稼働反対の首相官邸前デモ。実は、今日、私も行こうかと思ったのですが、仕事の都合で行けませんでした。

たった今、ユーストリームの中継を見ているのですが、すごい人の数と熱気です。まだはじまって40分たらずで、すでに4万人を超えているようです。最終的に何万人になるのか分かりません。

私みたいに行けなかった or 行かなかった人は、全国に何倍、何十倍もいると思います。

外国と違って温厚な日本人がここまで怒りをもって行動するのは、よっぽどのことです。実際によっぽどのことが起こっている、のですから。

まあ有名人や議員のなかには、日和見的に大勢に寄り添っているような人も出てきているのでしょう。それも良い傾向です。国民の大勢が“思う”だけで、実現できるということ。

それに多くの日本人は、同様に多数派に付く人たちなので、過半数といわず国民の1/4でも原発反対の意志を持てば、原発推進から反転できると思います。

ちなみに、この抗議活動についてNHKは、まだ触れてもいません。

2012年6月26日火曜日

大飯原発は安心安全?

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「大飯原発は安全安心。再稼働しても大丈夫!」
 by 野田首相と西川福井県知事

防波堤のかさ上げ → やってません

水素除去装置   → ありません

ベントフィルター → ありません

免振重要棟    → ありません

非常用電源車   → 高台に駐車場無し

非常用発電機   → 高台に設置スペース無い

アクセス道路   → 県道241号線一本のみ(しかもトンネル)

外部電源の多重化 → やってません

住民の避難計画  → ありません

*   *   *

拾いモノですが、とりあえず拡散。

とまあ、いろいろ挙げられていますが、次の表を見てもらうだけで、震源地である日本で原発を動かすことがあり得ないと分かるはずです……。

1000ガルを超えると、建物は地面から浮き上がります。
それに耐えうる配管や配線の設計は、物理的に不可能なの、です。

この原発の危うさを、地震学者の石橋克彦さんは「地雷源でカーニバルするようなもの」と言っています。

クリックで拡大

*  *  *

あーそれにしても、橋下氏にはがっかりした!

2012年6月21日木曜日

一万人規模のデモを伝えないマスコミと、都民を侮辱する都知事と、知るのが面倒臭い国民と。

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つい先日、6月15日、大飯原発再稼働反対のデモが行われました。
場所は首相官邸の前。1万1000人が集まったとのことです。

日本の新聞やテレビは、このデモをまったく報道しなかった。

それについて東京新聞がTwitterで謝罪しています。

東京新聞 bot ‏@TokyoShimbunbot
私は恥ずかしい。6月15日金曜日の首相官邸前で行われた
原発再稼動反対デモに一万一千人が集まった。取材もした。
なのに紙面で一行も記事にしなかった。みんなが支持してくれた
真実も語る東京新聞はどこへ行ったのか。日本のマスメディアは
ただの一社も記事にしなかった。ジャーナリズムの崩壊だ。

で、イギリスのBBCは報道したとのこと。
大飯原発の再稼働に反対する6/15首相官邸前のデモ(11,000人規模)をイギリスの公共放送局・BBCが報道

*   *   *

そして、昨日20日、原発稼働を都民投票で決めようという法案が、都議会で否決されました。

原発都民投票否決 都議会委で自公反対
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012061890142409.html

この法案には32万票もの賛成の署名が集まったのですが、これが否決されたとき、石原都知事は傍聴席に向かってブーイングしました。

東京都民に対してこのポーズ。
これはアウト。すぐに公職から降ろさないとだめでしょう。



*   *   *

↓の書き込みを見て、なるほどと思いました。でもまあ、結局のところは、めんどくさがってるだけだと思いますね。いろいろ知っちゃうと、確かにめんどくさいですから。

445 名前: 名無し転がし(四国地方) Mail: 投稿日: 2012/06/21(木) 16:07:21.53 ID: rOz8yeCTO
>>434
でもやっぱ、大多数の日本国民は未だに 政府やマスコミの“良心”みたいなもんを信じてるよね
「いくらなんでも、本当に破滅的状況ならもっと騒ぐだろう。現時点でそうなってないって事は、原発の危険性を訴えかけることによって何事かを画策しているプロ市民が勝手に騒いでいるだけと判断していい」みたいな
だから首相官邸を取り巻く一万人超のデモが起きても、“マスコミによって大々的に報じられてないから無視して構わない”というスタンス

2012年6月17日日曜日

除染は無理だった、と平野復興相

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除染効果、一定時間で限界 復興相、自治体に説明

(引用)
平野達男復興相は17日、東京電力福島第1原発事故で全町避難している福島県浪江町の馬場有町長と同県二本松市の仮役場で会い、除染事業について、一定時間を超えて洗浄を続けても効果は限定的との実験結果を示した。

旧緊急時避難準備区域の同県広野町で昨年度に実施した実験では、道路の線量が除染前の毎時0・14マイクロシーベルトから、150秒間の高圧洗浄後には同0・09マイクロシーベルトまで下がった。しかし、さらに500秒まで洗浄を続けても同0・08マイクロシーベルトと微減にとどまった。

平野氏は遠藤雄幸川内村長、遠藤勝也富岡町長にも同じ実験結果を示している。
(ここまで)

*   *   *

久々の更新ですいません。

さんざん言ってきたことですが、いまさらになって「除染は無理だ」と復興相が認めました。線量を下げられるという誤解を政府が与えていた“かもしれない”、と。かもしれない、と言っとけば、責任とらないでいいのかしら。

汚染地から人を出さずに、無駄な除染の名目でボランティアまで募り、たくさんの人を被曝させた責任を、誰もとらないんですこの国では。

土壌に染み込み、山林に降り注いだ、超微細な放射性元素を、水で流すだけで取り除けると、本気で考えていたのか。除染を無意味な公共事業にして、巨額のカネを国民からまただまし取ろうとしていただけでしょ?

ま、「除染は無理だ」と正直に言ったこの平野復興相は、まだマシだと言うことかもね。

*   *   *

そしてもう1点この記事にはおかしなことがあります。

この部分。

道路の線量が除染前の毎時0・14マイクロシーベルトから、150秒間の高圧洗浄後には同0・09マイクロシーベルトまで下がった。しかし、さらに500秒まで洗浄を続けても同0・08マイクロシーベルトと微減にとどまった。

単位を土壌中のベクレルではなく、空間線量であるシーベルトを基準にしているのがまず不可解。0.09μSv/hと0.08μSv/hは、誤差の範囲に過ぎないし、汚染地の線量としては非常に低い。この数字が安全かどうかは置いといて。

いまどきの東京でも、屋外で0.1μSv/h以下の場所は少ないですよ? 0.14μSv/hを超える地域も、かなりあります。私は都内のあちこちに行くたびに、シンチメーターで測っているので知っています。

原発爆発から1年半が経ってもなお、まともな計測の仕方も分かっていない政府とマスコミ。そして、そんな意味の無い報告を受けて、なんとなく分かった気になる視聴者たち。バカバカしくて鼻水が出ますね。

2012年6月1日金曜日

枝野・サイコパス・官房長官(当時)「メルトダウン・放射能漏れ分かり切ったことで言わなかった」

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枝野官房長官(当時)「メルトダウン・放射能漏れ分かり切ったことで言わなかった」
http://www.j-cast.com/tv/2012/05/28133476.html

(引用)
福島第1原発事故当時に官房長官だった枝野経産相が27日(2012年5月)、事故の検証を進めている国会の国会事故調査委員会に参考人として呼ばれ、聴取に応じた。菅政権のスポークスマンの役割を担っていた枝野だが、この日に問われたのはその情報発信のあり方だった。

●やっと認めたのは3か月後に海外向け

メルトダウンを政府が認めたのは国際原子力機構に報告した昨年6月で、事故から3か月もたっていた。公表の大幅な遅れについて問われると、枝野は「炉心損傷の可能性については、3月13日午前中の記者会見の段階で、『十分可能性があるということで、その想定のもとに対応しております』と申しあげた」と開き直った。

委員から「多くの国民は、6月までそんなに深刻な事故とは感じていなかったのではないか」と突っ込まれると、「もしかすると思い込みを反省しなければならない側面があるのかなと…」とまるで他人事のような答えだ。さらに、「炉心も溶けているし、漏れているのはあまりにも大前提で、改めて申し上げる機会がなかった」と驚きの発言が続く。
(続く)

*   *   *

「3月13日午前中にボクちゃん、溶けてるかもって言ったもんね」と、枝野氏。

あれだけ「溶けてない、漏れてない、ただちに、安心安全」を繰り返していたのに、どの口がそんなこと言えるのか。まあ「ただちに」も後から「1回2回ならという意味」とか抜かしてましたけどね。

国民の命を危険にさらしておきながら、平気で小学生のような嘘がつけるのは、サイコパスにしかできません。この弁護士出身の保身の塊は、おそらく当初からこの言い訳を想定してたのでしょう。

*   *   *

追記:2012/06/03

で、かたや、何かとお情けにすがりたがる細野原発相は、こんなこと言ってたり。この人たちって、わざと国民を怒らそうとしてるのかしら。

細野氏「溶融認めるべきだった」 米のサンデル教授と対談
http://www.47news.jp/CN/201205/CN2012052901002038.html

細野豪志原発事故担当相は29日、熱気あふれる政治哲学講義で知られる米ハーバード大のマイケル・サンデル教授と内閣府の担当相室で対談し、東京電力福島第1原発事故直後の対応に関し「炉心溶融している可能性があることを率直に認めた上で対応していれば、政府発表に対する信頼もかなり変わっていたかもしれない。問題があったと思っている」と述べた。

情報公開の在り方をめぐり細野氏は「国民は総体としては非常に冷静で、さまざまなことについて議論ができる」とした上で「そういう国民に対する情報の出し方、コミュニケーションの取り方は変わっていかなければならない」と強調した。

2012年5月27日日曜日

900万人:31人の乖離

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2004年に発表されたドキュメンタリー映画です。全50分。

IAEAとWHOとの癒着の話をはじめ、子供たちへの健康被害を訴えるロシアの人々と、そうした声を排斥する人々の様子が描かれています。

*   *   *

国連人道問題事務所OCHAのD.ズブカ氏はチェルノブイリの犠牲者を900万人と見積もっていると語られています。これは国連の元事務総長コフィ・アナン氏も同意見であるとのこと。

一方、国際原子力機関IAEAの代表は、チェルノブイリの原発事故による死者は31人と述べています。

ズブカ氏の言う「犠牲者」というのは、病人も含めての数なのかな、と思いますが、それにしても人数に差がありすぎる。

そして、生まれつき敗血症と化膿性脳膜炎をわずらっている赤ちゃんの母親の言葉。
私はモシール出身です。
原発のすぐそばの町です。
直線距離でチェルノブイリから80kmくらい。
原発事故の尺度で見れば、80kmは「すぐそば」なのです。

*   *   *

このドキュメンタリーを見ると「原子力ムラ」というのは、非常に巨大で、世界の要点をすべてカバーしていることがよく分かります。残念ながら、愚かなのは日本人だけでは無いようです。

でも、いろんな人がいろんなことを言うだけで、どの発言を信用すれば良いのか分からない。という人も多いみたいです。確かに、危険を訴える人たちの間でもトンデモな話が多く、精査した情報は非常に少なかったりもします。それに、日本人的な視点では、何を言ったかよりも、誰が言ったか、の方が重要だったりしますからね。

それなら、最も信用するに足る人の発言を。

「原子力はお湯を沸かすには最悪の方法だ」
「原子力は人間の手に負えなくなるだろう」

どちらも、かのアインシュタイン博士の言葉です。

2012年5月25日金曜日

美浜町「脅迫停電で電気のありがたさを知らせろ」

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計画停電の検討、関電に要望 美浜町議会原特委 福井 2012.5.22 02:08
http://sankei.jp.msn.com/region/news/120522/fki12052202080002-n1.htm

(引用)
■電気のありがたさ知らせる

関西電力美浜原子力発電所(美浜町)の再稼働について、美浜町議会原子力特別委員会は21日、経済産業省原子力安全・保安院と関西電力から、安全基準と緊急安全対策について説明を受けた。

関電は昨年12月、美浜原発3号機のストレステスト(耐性検査)1次評価を提出し、保安院の審査待ち。同2号機は昨年7月、高経年化技術評価を提出し、今年7月には運転40年を迎える。同1、2号機は改正規制法案の制定待ちとなっている。

この日の原特委では、山口治太郎町長や議員10人が出席。関電の説明後、議員が「今年の夏を乗り越えれば、原子力発電所がなくてもやっていけると思われがちだ」と指摘。「大阪など関西は電気があって当たり前だと思っている。関西に電気のありがたさを知らせるため、計画停電を最重要課題にすべきだ」と要請

関電美浜発電所の片岡秀郎所長は「供給の努力を怠ってはいけないが、化石燃料の増強が電気料金の値上げに繋がることなどを理解してもらわなければならない」と応えた。(ここまで)

*   *   *

んー、なんて言ったらいいんだろ。何も言わなくていいか。
誰かが言ってたって「話さないと分からないヤツには、話しても分からない」。

2012年5月23日水曜日

なんで汚染ガレキを1000kmも運ぶの?

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昨日は、北九州市に宮城県のガレキが入って、それを阻止しようとした人たちが警察に強制排除されました。数人が逮捕されたとのことです。

震災ガレキ搬入反対派を強制排除 北九州市(福岡県)

(引用)
22日朝から、東日本大震災で発生したガレキの搬入を反対派の市民が阻止していた北九州市で、警察が同日午後、市民の強制排除に乗り出した。

19日に宮城県を出発した震災ガレキは、22日午前9時に北九州市小倉北区の焼却施設近くの保管倉庫「日明積出基地」に到着したが、反対する人たち30人余りがトラックの前に座り込んだ。

北九州市の職員「大変危険ですので、移動をお願いします」
反対派「(トラックの)中の方が危険でしょうが

北九州市の要請を受けて、警察は22日午後4時頃から反対する市民の強制排除に乗り出した。警察によると、数人を逮捕したとしており、現場では両者のにらみ合いが続いている。

*   *   *

なぜ1000kmも離れた土地に、放射能が降りかかったガレキを運ぼうとするのか、それに反対する人がなぜ逮捕されるのか。そしてなぜ、多くの日本人はそれに無関心なのか。すべてにおいて、理解できない。。。

ちなみに、北九州市のガレキ焼却施設の隣には野菜の卸売市場があるらしいです。

ガレキを積んだトラック近くで0.6μSv/hが出てます。
このブログでしつこいほど言ってますが、
0.6μSv/hというのは現在の法律上、放射線管理区域に当たります。

*   *   *

また、ガレキの試験焼却が始まった静岡県島田市で、以前よりも土壌が汚染されているというお話もありました。しかも小学校の土で。

「安心して暮らせる島田をつくる市民の会のブログ」

ただし、今までに焼却したガレキは10トンとのこと。それでここまで汚染が広がるとは考えにくい。上のブログ主さんは一般ゴミの焼却でも汚染が蓄積されているのではないか、と書かれています。まあごもっとも。東京でも汚泥からずっと放射性物質が検出されていますし、放射能がぐるぐるとサイクルして降り積もっているのかもしれません。

というか、今現在も試験焼却されているみたいですね。

試験焼却用がれき 静岡市搬入始まる
http://sankei.jp.msn.com/region/news/120523/szk12052302080002-n1.htm

(引用)
23日午前0時から試験焼却が始まり、24日未明まで約28時間かけて、一般ゴミと混ぜられた計29トンのがれきが焼却される。(ここまで)

2012年5月20日日曜日

福島の水産物、25%が基準超過

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福島で基準値超え水産物多く 2012.5.19 21:08
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120519/trd12051921080017-n1.htm

(引用)
4月に食品中の放射性セシウムの新基準値が適用されて以降、5月17日までに全国の自治体などから計2万3657件の検査結果が厚生労働省に報告され、うち622件が新基準値を超過している。いずれも野菜や魚などの一般食品(同100ベクレル)だった。

検査結果を食品群別で見ると、基準値超えが最も多いのは農産物で370件。水産物は245件だった。

都道府県別では福島が最も多く、検査した3601件のうち256件が超過した。水産物は707件を検査し、約25%にあたる175件が超過。ヒラメやマコガレイなど35種に及ぶ。一方、農産物は、1558件検査して、超過は約5%の80件だった

福島、宮城、岩手の被災3県では、農産物計2168件を検査し、超過は253件で約12%。一方、水産物は、計1186件を検査し約17%にあたる196件が超過した。

*   *   *

なんか、いろいろ下書きしましたが、消しました。
事実のみを端的に。

福島産水産物の25%が基準を超過。
被災3県でも約17%が超過しています。

2012年5月8日火曜日

寒気を覚えた動画

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ガンマ線のみで6μSv/h……。

で、なんのイベントだか、人がたくさん集まっています。
線量なんて気にせずに。狂ってるよ。

その他参考リンク。

http://fukushima-diary.com/2012/04/reality-in-fukushima/
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=lcY6lXJcfI4#!

2012年5月5日土曜日

原発が停止する日(と、拾い画像集)

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泊原発3号機検査へ 全原発が停止に
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120504/k10014895251000.html

テレビや新聞を見ていないので、どの程度、報道されているのか分かりませんが、明日、5月5日の23時頃に泊原発3号機が検査に入り、未明2時頃に原子炉が停止するとのこと。これで日本の原発はすべて停止することになります。

*   *   *

GWということで、ブログ更新もお休みしていたのですが(というか書くネタが無いので)、ちょっと拾い物の画像を紹介していこうかなと思います。

*   *   *

花見の席に書かれた注意書き。
1.78μSv/hという線量の意味が分かっていない。

原発が爆発した直後、対策本部では
こんなコントが行われていたとのことです。


まさにマッドサイエンティスト。
すごく嬉しそうに日本人を脅しています。

和田誠氏のイラスト。
端的に事実を表した良い絵だと思います。

セシウム摂取の体内残留量。
少量でも慢性的に摂取すると体内に蓄積されます。

東電元社長のありがたい言葉。
高い倫理観とは聞いて呆れる。

福岡の街角にあった看板。

これはコラージュ。この化け物は
ジョン・カーペンター監督の
『ゼイリブ』に出てきます。
今の日本の状況にも通じるお勧め映画です。

これもコラージュっぽいですが、
本物のポスターなんです。
今がとんでもない時代ということがよく分かります。


クルマのフィルターらしいのですが詳細不明。
左からシアトル・東京・福島の
空気中の放射性物質の量だと思われます。
どなたかご存知の方いれば教えてください。

原発全停止でもまったく問題無し。
この1年で火力発電所を増設するなどの
対策をしてこなかった政府と
電力会社に存在価値はありません。

3号機の爆発の瞬間。
日本人が忘れてはいけない映像です。

2012年4月23日月曜日

100ベクレルのダブルスタンダード

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ちょっと忙しいので、コメント無しで。
以下、2つの記事を読んでどう思いますか?

*   *   *

食品の放射能検査「独自基準やめて」農水省が通知

(引用)
食品の放射性物質検査をめぐって、農林水産省は20日、スーパーや食品メーカー、外食産業などの業界団体(270団体)に対し、国が設けた放射性物質の基準を守るよう求める通知を出した。国よりも厳しい独自基準を設けて自主検査を実施し、「『放射性物質不検出』の食品しか売りません」などとする動きに歯止めをかけるのが狙いという。

国は4月から、それまでの暫定基準を改め、新基準(一般食品の放射性セシウムは1キロあたり100ベクレル、牛乳と乳児用食品は50ベクレル、飲料水10ベクレル)を施行した。

通知は同省食料産業局長名で出され、民間に広がる自主検査に対する注意喚起の形をとっている。通知は、この新基準が国際的な指標と比べても、さらに厳しい設定であることを強調。「過剰な規制と消費段階での混乱を避けるため、自主検査においても食品衛生法の基準値に基づいて判断するよう周知をお願いします」と記している。

*   *   *

「100ベクレル以下」でも厳重管理

(一部引用)
東京電力は19日、柏崎刈羽原発内で出た低レベル放射性廃棄物の管理方法を公開した。同原発では再利用が認められている1キロあたりの放射性セシウムが100ベクレル以下のゴミもドラム缶に入れて厳重に管理し、搬出後もコンクリートや土で外に漏れ出さないようにしている。長岡や新潟など県内5市は同100ベクレル以下の震災がれきを受け入れる考えだが、その焼却灰をどう管理するのか、より分かりやすい住民への説明が求められそうだ。

(中略)
同法で再利用してもよいとされている同100ベクレル以下のゴミも扱いは同じ。東電の担当者は「柏崎刈羽原発では、100ベクレル以下でも原発内で汚染されたゴミはすべて低レベル放射性廃棄物として厳格に管理することになっている」と話す。

*   *   *

1点だけ。
全国に拡散してるガレキの基準は8000ベクレル/kgです。

2012年4月20日金曜日

あーイライラする

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なんでしょうね。

普段は、正常さを保つために、無意識に怒りを抑えて生活している。
で、何かをきっかけに突然、すごい腹が立ってくる。
このイライラループはいつまで続くのか。

*   *   *

セシウム濃度、最大2割高く修正 2012年 04月 16日
http://jp.reuters.com/article/jp_quake/idJP2012041601002573

(引用)
文部科学省は16日、昨年3月から8月にかけて公表した東京電力福島第1原発周辺の海水や海底の土に含まれる放射性セシウム濃度の一部データについて、実際よりも数%から最大で20%程度低く算出していたとして、修正した数値を公表した。修正したのはセシウム134の濃度。セシウム134は同時に複数の放射線を出すため、その影響を考慮して算出する必要があるが、分析に時間がかかるため当時は考慮していなかった。▽ロイター 

*   *   *

こんな偽装、犯罪は何十回目?
毎回、低く見積もってるくせに、うっかりミス?
どれだけ嘘を重ねても、責任を取る人間は一人もいない。

こんな修正データの数字もアテにならない。
ホントの数字が出てくるのは数年、数十年後でしょう。

何が腹立つって、これだけ情報が出てるのに、
まだ政府、官僚の言うことを信じてる人に腹が立つのです。

*   *   *

とある知的な笑いをウリにしている芸人が、原発は推進、放射能は安全とテレビで発言していて、どうも、その理由が「今まで原発に反対してこなかったから、今さら転向するのは主義に反する」というものらしい、というエピソードをどこかで読みました。

もしそのクソみたいな主義が事実であるなら、そんな、くだらない「こだわり」や「かたくなさ」こそ、私の最も嫌うところなのです。結構多いよそんな人。

人は年を取るにつれて、脳みそが固まっていきます。これを防ぐのは極めて難しい。だから、我々にできることは「自分の脳みそが固まっていく」ことを自覚することだけである、と思っています。

2012年4月19日木曜日

ただちに、の意味

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ちょっと古い話になりますが、未だに知らない人が多そうなので、おさらいしておきます。

*   *   *

枝野氏「『直ちに』は7回しか言ってない」に非難殺到 

(一部引用)
わたくしは3月11日からの最初の二週間で、39回の記者会見を行っておりますが、そのうち「ただちに人体、健康に害が無い」ということを申し上げたのは全部で7回でございます。そのうちの5回は食べ物、飲み物の話でございまして、一般論としてただちに影響がないと申し上げたのではなくて、放射性物質が検出された牛乳が1年間飲み続ければ健康に被害を与えると定められた基準値がありまして、万が一そういったものを一度か二度摂取しても、ただちに問題ないとくり返し申し上げたものです」

*   *   *

枝野氏の国会での答弁です。弁護士特有のこんがらがった言い回しで、何回読んでも意味が入ってきませんが、まあ、要するに「暫定基準値を超えた食品は一度か二度ぐらいなら、摂取してもただちに問題ない、と申し上げた」と。言い換えると「3回以上食べたらただちに影響あるかもね」と言っていたわけです。枝野氏は。

そして重要なのは「ただちに」が指すのは急性障害であるということ。枝野氏は晩発性障害については、まったく何も触れていないのです。用意周到。何年、何十年か後に起こる裁判を見越して、彼は発言しているのです。国民の健康なんて二の次で。

*   *   *

原発事故から1年以上経過した今でも、改訂前の暫定基準値を超えるものや、現在の基準値超えの食品が出ています。

(参考)
セシウム検出でニュース検索

と、恐い感じで書きましたが、実のところ、食品への汚染は原発爆発直後に感じていた危惧よりは、だいぶマシに済んだという印象を持っています。

セシウム以外の核種、ストロンチウムやプルトニウムなども含めて、行政が測定をもっとちゃんとやるようになったら、食の安全を取り戻せるかもしれません。

現状では、キノコ類と海産物に特に注意する必要があると思います。

2012年4月16日月曜日

どうしてセシウムを食べてはいけないのか。

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先日、紹介したチダイさん。

いつもお馬鹿な下ネタを前フリに、食材のセシウム検査を行ってくれている人ですが、放射性セシウムを摂取することの危険性を非常に分かりやすく解説してくれています。

このブログを見ている人にとっては、すでに知っていることも多いと思いますが、最近ちょっと気が緩んできた、という人にもお勧めです。

それにしても、こんな風に分かりやすく書けるのは才能ですね。

チダイズム ~毎日セシウムを検査するブログ~
どうしてセシウムを食べてはいけないのか。
http://ameblo.jp/c-dai/entry-11222808303.html

というか、チダイさんLB2045という測定器を使っているとあったので、こんなに高価な機械を買って凄いなあ、と思っていたら、放射能測定器レンタルスペースのベクミルを利用されているみたいです。いやはや、立派。

2012年4月13日金曜日

放射能を積極的に摂取する人たちの意識(と、2万ベクレル超のヤーコン茶)

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先日、小学校の給食の冷凍ミカンから9ベクレル検出されたというニュースがあり、それについてのニュース速報+のスレッドを見ていると「9ベクレル程度で何を騒いでいるのか」「放射脳wwwプププ」という意見がすごく多かった。板が変わると、放射能に対する意見もかなり変わる。

いまさらカリウムだの60年代の核実験だのの話はしたくないのでしませんが、とにかく、放射能を積極的に摂取しようとする人たちがたくさんいることに脱力しました。

まあ、9ベクレルという数字は基準値を大幅に下回っているから大丈夫、ということなんでしょう。でも、9ベクレル/kgの冷凍ミカンを子供が摂取しても絶対に大丈夫、とは、私にはとても言えません。

当たり前のことですが、冷凍ミカンだけが汚染されているわけではないんですよ? 日本の現在の基準は、以前より下げられたとはいえ、震災以前の基準を大きく上回る100ベクレル/kgです。たとえ少量であっても、そこかしこにセシウム入りの食品が出回っているわけです。そして付け加えるなら、ストロンチウムやプルトニウムは測ってすらいない。

これは私の予想ですが、恒常的に放射性セシウムを摂り続けても問題無しと言い切れる人たちは、自分たちが多少なりとも、汚染された食品を摂っているという“無意識の自覚”があるのではないでしょうか。

だから、基準値以内なら「絶対に大丈夫」と思い込まなければ、自分が不安になってしまう。「ちょっとぐらいセシウム入ってても大丈夫」という反応は、「見たくないことは見ない」という精神を安定させるための防御作用ではないか、と考えています。

で、このニュースを見て下さい。

*   *   *

宮城のヤーコン茶基準値超 170倍、業者が自主回収

(引用)
宮城県は12日、県南部の蔵王町で収穫、製品化されたヤーコン茶から業者の自主検査で一般食品の放射性セシウム新基準値(1キログラム当たり100ベクレル)の170倍を超す1万7200ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。100グラム入りの1100セットが市場に流通しており、製造業者が自主回収を始めた。

検査は3月26日に粉末の状態で実施。国の指針では、茶などの食品は飲む状態で検査しなければならないため、県は自主回収された製品を再検査する予定。

県によると、蔵王町の食品会社GOLDrandの製品。昨年3月から9月にかけて製造された。(引用ここまで)

*   *   *

この1万7200ベクレルという数字を見て、上記の内部被曝OK派の人たちはどう受け止めるんでしょうか。考えてみるに、彼らには、こうしたニュースは目に入らない。目に映っても脳にまで届かないのではないでしょうか。見たくないものは徹底して見ない。それが一般人らしい、のです。

それにしても、このヤーコン茶の汚染は自主検査で判明したんですよ。県も国も、企業が自主検査するまでそれを発見できなかったということです。その上で、行政指導するわけでもなく、企業が自主回収しているんです。1100セットがすでに市場に流通した後で!

これでも彼らは「1万7200ベクレル程度で何を騒いでいるのか」と言うのかしら。そして、これでも、宮城県のガレキは、絶対に汚染されていないと思えるのでしょうか。

*   *   *

追記2012/04/15 20:18

その後、県の検査で、2万290ベクレルと発表されました。
回収されたのはわずか40セットとのこと。

ヤーコン茶は2万ベクレル=宮城県
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2012041400317

(引用)
宮城県蔵王町の業者が製造したヤーコン茶から高濃度の放射性セシウムが検出された問題で、県は14日、セシウム濃度は国の基準値(1キロ当たり100ベクレル)の200倍超の2万290ベクレルだったと発表した。

業者の自主検査では1万7200ベクレルだった。県によると、出荷済みの1100セットのうち、同日までに約40セットが回収された。(2012/04/14-20:20)

2012年4月9日月曜日

上田札幌市長の言葉が通じる人と通じない人と

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「(ガレキを)受け入れないと判断したことが後日歴史的に誤りだったと評価されても、市民の安全は守られ、私が批判されれば済みます。けれども、受け入れて間違いだったと分かるときには市民に被害が出ている。私にはそれは耐えがたいのです。」

*   *   *

これは、7日の北海道新聞のシリーズインタビューに掲載された上田文雄札幌市長の言葉です。私にとってはものすごく共感できる言葉なのですが、多くの日本人は、そもそも興味すらないようです。

原発爆発から1年以上経った今では、いろんなことを知りたい人はもう知っているし、知らない人はずっと知りたくない、という状態となっています。何を言っても、知りたくない人たちの脳みそには届かないでしょう。

放射能の影響を軽視したり、8000ベクレル/kgものバカ高い基準のガレキ拡散を容認したり、キノコや底魚など汚染が出ているものを、産地などを確認せずに乳幼児に食べさせたり、といった行動は、私は傷害行為だと思っています。それが無意識、無知のせいであっても、具体的な被害が出なくても。

ましてや、身近な人や、福島から遠く離れた土地の人に、放射能による健康被害が出たらどうするのか。いや、それでも、彼らは「知らなかった」で済ませるのだと思います。下手すると「本当は反対だった」ぐらいは言うでしょう。

「そんなやつおらんやろ〜」と思いますか?
いや、そんな人が多数派なんですよ?

あーもー、ブログアップが面倒臭い。

2012年3月28日水曜日

東電「電気代値上げが嫌なら電気供給止める」

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東電の企業向け値上げ応じなければ電気供給停止も 中小企業などから怒りと悲鳴が噴出
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00220086.html

(引用)
東京電力は、4月から予定している企業向け電気料金の値上げに応じてもらえない場合は、電気の供給を止める可能性があることを明らかにした。地域独占ならではの対応に、中小企業などからは怒りと悲鳴が噴出している。

都内の鉛筆工場では、4月の入学シーズンに向け、機械がフル稼働していた。しかし、そんな書き入れ時にもかかわらず、工場長は怒りを隠せない。工場長は「われわれがいくら言っても、上の方には届かないから、もう独断でもって、あんなことばっかりやってたんじゃ。これ以上、上がったらどうするんだよ」と話した。

怒りのきっかけは、東京電力の27日のひと言だった。東京電力は会見で「新しい契約料金が、ご賛同いただけないというふうになりますと、契約が成り立たないわけでございますので、そこはやはり、ご契約、電気をお届けすることは、なかなか難しいと」などと発表した。

東京電力は、4月1日からの企業向け電気料金の値上げに関して、値上げを拒否し、契約を更新しないまま使い続けた場合、最短で5月下旬に供給を止める可能性があるという。一方で、新たな対応策も発表した。

2012年1月17日から3月30日までに、契約満了となる企業については、値上げに同意しない場合、1年間、現行料金を据え置くという。東京電力は会見で「ご説明が不親切であったため、お客さまの混乱と、ご不信を招いたことにつきまして、深くおわび申し上げます。申し訳ありませんでした」と、説明不足を陳謝した。

鋳物の街、埼玉・川口市にある田中鋳物工場では、4月からの値上げで、年間720万円もの負担増となることから、値上げ拒否を貫いている。田中鋳物工場からは「やり方がちょっと乱暴ですよね。『納得いかないんだったら、電気止めますよ』というってことは、『死ね』って言われてるのと一緒だから」、「夏の夏季の節電にも協力させられて、平日休んで休日出勤したりとか、そこまで協力してて、最後、この仕打ちだから、どうにも納得がいかないですよね」といった声が聞かれた。

値上げの対象となる企業など、およそ23万7,000件のうち、いまだ9割近い企業の同意を得ていない。また、東京電力は会見で「(規制部門、家庭向けの値上げについて、大臣への申請の時期と、値上げ幅については現在どのように考えてらっしゃいますか?)最終段階で詰めておるところでございます」などと話した。値上げのしわ寄せが、家庭に迫りつつある。
(引用ここまで)

これにプラス1枚。


この他社っていうのはPPSのことかな?

*   *   *

とある小さなパン屋さんには年間85万円アップの通知が来て、パンを何個売れば良いのか途方にくれているということです。パン1個100円なら8500個、年中無休で1日約23個を余分に売って、やっと値上げ分です。

東電管区から地方や海外に移動できる大企業はまだ良いですが、小さな店舗や工場、中小企業には「電気代払えないなら潰れろ」と、こう脅してるわけです。

これ、だいぶ前にも貼りましたが、もっかい貼っときますね。

クリックで拡大

我々が支払う電気代には、東電社員のサークル活動費や飲食施設の管理費などが含まれています。なかでも特筆すべきは下から5個目と6個目!

・年3.5%の財形貯蓄の利子(利子補てんがない企業がほとんど)
・年8.5%のリフレッシュ財形貯蓄の利子(制度自体がない企業がほとんど)

株式投資、投資信託、銀行預金、郵便貯金などしてる人は分かるでしょう。
ノーリスクで、年3.5%! 年8.5%!の利子が付く預け先なんかありますか!? この利子を我々は電気代として支払ってるんですよ? 電力会社がどれだけふざけた組織なのかがよく分かります。

*   *   *

最近になって「原発止まったら電気足りない」という声が、また聞かれるようになりました。で、これを言ってる人は、大抵すごく自信満々で言うから、それ以上、ツッコミを入れづらいんです。いいかげん、面倒臭いし。

原発全部止まっても、電気は足ります!
節電する必要もありません!
で、発送電分離すれば、電気代は今よりずっと安くなります!

このブログで何度も書くのも面倒臭いので、下に関連エントリを貼っておきます。

ひとつだけ言うと、原発というのは半世紀も前の技術で動いています。一方の火力発電では、ジェットエンジンと同様の技術を用いたガスタービンによるコンパインドサイクル発電の技術がすでに確立されています。再生可能エネルギーの技術が確立されるまでは、この非常に高効率なガス火力発電の割合を増やすべきだと考えています。

(関連エントリ)
電力不足という脅迫
原発がなければ経済が成り立たない、電気が足りなくなる、という洗脳
「なんか良いことしてる気分」で節電しないこと。

2012年3月26日月曜日

自家製食材に注意されたし

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「チダイズム ~毎日セシウムを検査するブログ~」で、柏の夏みかんから110ベクレル/kgのセシウムが検出されました。

千葉県柏市産の夏みかんのセシウム。
http://ameblo.jp/c-dai/entry-11192509968.html

このブログでは、1日1品目の食品のベクレル検査を行ってくれています。その記録を見てみると、ほとんどの食品がNDです。まだ始まって間もないので検査数は少ないですが、加工食品なども思っていたよりも安全だという印象です。ただし、キノコや牛乳を使用した加工食品からは微量、出ているようです。

今回の夏みかんは管理人さんの自宅の庭になっていたものということで、やはり、家庭菜園や近所の人からのお裾分け、山でとれたキノコやタケノコ、イノシシの肉など、流通に乗っていない食材は危険度が高まるようです。

私は関西以西のものでなければ、こうした自家製食材を食べることはありません。

2012年3月21日水曜日

福島県が事故当夜からの放射性物質拡散予測データを消去していた

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3月21日東京新聞
福島県が拡散予測消去 当夜から受信5日分

(リード文引用)
東京電力福島第一原発の事故で、福島県が昨年三月十一日の事故当夜から放射性物質拡散の予測データをメールで入手しながら、十五日朝までの分をなくしていたことが県への取材で分かった。この間に1、3、4号機で相次いで爆発が起きたが、県は原発周辺の自治体にデータを示していない。県の担当者は「(データの)容量が大きすぎて、消してしまった」と話している。

*   *   *

原発が相次いで爆発した直後5日分の放射性物質拡散の情報を、データが大きいから消した、と。ははは。

何テラバイトあったのか知りませんが、他のどんな情報を消しても、これは残して即座に伝えるべきデータでしょう? 福島県にはプリンターもハードディスクも存在しないのか? 

というか、(福島に原発を誘致した民主党・渡部恒三氏の甥で、住民の反対を押し切り福島原発にMOX燃料を導入した)佐藤雄平知事がなんで、いまだに知事でいられるの? とっくの昔にリコールされて逮捕されていてもおかしくないのに。

関連エントリ
厚生労働省(福島県?)が避難させないよう他県に通達? 本当なら、あきらかな憲法違反

2012年3月20日火曜日

フクシマの嘘

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ZDF zoom+「フクシマの嘘」

ドイツの報道番組です。
30分なので見て欲しいです。
こんな報道は、もう日本人にはできないのでしょうね。

こちらのサイトに全文書き起こしがされていました。
http://kingo999.blog.fc2.com/blog-entry-546.html

2012年3月16日金曜日

「絆」のカラクリを伝える15歳アイドルのつぶやき

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藤波心 ‏ @fujinamicocoro

私がある国会議員に聞いたがれき処理受け入れの本当の理由。→全国の産廃業者が被災地のがれきが金になると注目→地元の議員首長に相談→被災地を助けよう! 日本人の絆が試されている!困った時はお互い様等と言ってあたかも受入反対している市民が復興の妨げかのようにPR という流れが多いと。

*   *   *

この子はほんとにしっかりした15歳ですね。

ガレキ処理についての正論の追記でも紹介しましたが、大事なことなのでもう一度。新党日本代表の田中康夫氏も産廃利権について訴えています。

「みんなの力で瓦礫処理」より引用)

阪神・淡路大震災以前から、産業廃棄物も一般廃棄物も「持ち出さない・持ち込ませない」の域内処理を自治体に行政指導してきた政府は何故、豹変したのでしょう? 因(ちな)みに東京都に搬入予定の瓦礫処理を受け入れる元請け企業は、東京電力が95.5%の株式を保有する東京臨海リサイクルパワーです。

これぞ産廃利権! 仙谷由人氏と共に東電から献金を受け(朝日新聞1面既報)、父君が北関東の産廃業界で重鎮の枝野幸男氏、同じく東電が重用する細野豪志氏に「李下に冠を正さず」の警句を捧げねば、と僕が慨嘆する所以です。

2012年3月14日水曜日

数々のウソと、汚染ガレキに対する徳島県の毅然とした態度!

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地べたに座る被災者からは見えない座布団の上で土下座っぽいことをする東電役員

51 名前: 地震雷火事名無し(フィリピン)  Mail: sage 投稿日: 2012/03/14(水) 14:49:01.41  ID: OgzybiuH0 

原発は安全なので事故を起こしません → 爆発しました

メルトダウンはしてません → してました

プルトニウムは重いので敷地外へ出ません → 出てました

生物濃縮はしません → してました

市場に出回る食品は基準値以下です → オーバーしてました

お願いするガレキは基準値以下なので安全です →

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

これでも信じられるなら精神がヤバい。
振り込め詐欺にひっかかるくらいヤバい。

*   *   *

という書き込みがありました。
ほんと、日本人ってどこまでお人好しなんでしょうね。

*   *   *

と思っていたら、徳島県の環境整備課は実に理路整然とした態度で、汚染ガレキの受け入れを拒否する理由を説明しています。素晴らしい!

徳島県 ようこそ知事室へ

(引用)

登録・更新日:2012-03-13
60歳 男性

タイトル:放射線が怖い? いいえ本当に怖いのは無知から来る恐怖

東北がんばれ!!それってただ言葉だけだったのか?東北の瓦礫は今だ5%しか処理されていない。東京、山形県を除く日本全国の道府県そして市民が瓦礫搬入を拒んでいるからだ。ただ放射能が怖いと言う無知から来る身勝手な言い分で、マスコミの垂れ流した風評を真に受けて、自分から勉強もせず大きな声で醜い感情を露わにして反対している人々よ、恥を知れ!!徳島県の市民は、自分だけ良ければいいって言う人間ばっかりなのか。声を大にして正義を叫ぶ人間はいないのか? 情け無い君たち東京を見習え。

(この意見に対する徳島県の環境整備課からの回答)

【環境整備課からの回答】

貴重なご意見ありがとうございます。せっかくの機会でございますので、徳島県としての見解を述べさせていただきます。

このたびの東日本大震災では,想定をはるかに超える大津波により膨大な量の災害廃棄物が発生しており,被災自治体だけでは処理しきれない量と考えられます。

こうしたことから,徳島県や県内のいくつかの市町村は,協力できる部分は協力したいという思いで,国に対し協力する姿勢を表明しておりました。

しかしながら,現行の法体制で想定していなかった放射能を帯びた震災がれきも発生していることから,その処理について,国においては1kgあたり8000ベクレルまでは全国において埋立処分できるといたしました。
(なお,徳島県においては,放射能を帯びた震災がれきは,国の責任で,国において処理すべきであると政策提言しております。)

放射性物質については、封じ込め、拡散させないことが原則であり、その観点から、東日本大震災前は、IAEAの国際的な基準に基づき、放射性セシウム濃度が1kgあたり100ベクレルを超える場合は、特別な管理下に置かれ、低レベル放射性廃棄物処分場に封じ込めてきました。(クリアランス制度)

ところが、国においては、東日本大震災後、当初、福島県内限定の基準として出された8,000ベクレル(従来の基準の80倍)を、その十分な説明も根拠の明示もないまま、広域処理の基準にも転用いたしました。
したがって、現在、原子力発電所の事業所内から出た廃棄物は、100ベクレルを超えれば、低レベル放射性廃棄物処分場で厳格に管理されているのに、事業所の外では、8000ベクレルまで、東京都をはじめとする東日本では埋立処分されております。

ひとつ、お考えいただきたいのは、この8000ベクレルという水準は国際的には低レベル放射性廃棄物として、厳格に管理されているということです。

例えばフランスやドイツでは、低レベル放射性廃棄物処分場は、国内に1カ所だけであり、しかも鉱山の跡地など、放射性セシウム等が水に溶出して外部にでないように、地下水と接触しないように、注意深く保管されています。

また、群馬県伊勢崎市の処分場では1キロ当たり1800ベクレルという国の基準より、大幅に低い焼却灰を埋め立てていたにもかかわらず、大雨により放射性セシウムが水に溶け出し、排水基準を超えた事件がございました。

徳島県としては、県民の安心・安全を何より重視しなければならないことから、一度、生活環境上に流出すれば、大きな影響のある放射性物質を含むがれきについて、十分な検討もなく受け入れることは難しいと考えております。

もちろん、放射能に汚染されていない廃棄物など、安全性が確認された廃棄物まで受け入れないということではありません。安全な瓦礫については協力したいという思いはございます。

ただ、瓦礫を処理する施設を県は保有していないため、受け入れについては、施設を有する各市町村及び県民の理解と同意が不可欠です。

われわれとしては国に対し、上記のような事柄に対する丁寧で明確な説明を求めているところであり、県民の理解が進めば、協力できる部分は協力していきたいと考えております。

*   *   *

この情報はこちらのサイトで紹介されていたものです。

nanohana
【瓦礫問題】 徳島県では立場が逆!?
http://nanohana.me/?p=13075

*   *   *

追記 2012/03/22 23:07

北海道・黒松内町も受け入れしないことを表明しました。
徳島県の判断も参考にしたとのこと。

黒松内町は、震災がれきの受入れをいたしません。
http://www.kuromatsunai.com/saigai/20120320.htm


『「放射性物質については、封じ込め、拡散させないことが原則」です。』

これに尽きます。


2012年3月9日金曜日

4号機が倒壊していいのか悪いのか分からない

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ちょっ、マジか。

*   *   *

4号機、工事ミスに救われた 震災時の福島第一原発

2012年3月8日03時00分

(転載)
東京電力福島第一原発の事故で日米両政府が最悪の事態の引き金になると心配した4号機の使用済み核燃料の過熱・崩壊は、震災直前の工事の不手際と、意図しない仕切り壁のずれという二つの偶然もあって救われていたことが分かった。

4号機は一昨年11月から定期点検に入り、シュラウドと呼ばれる炉内の大型構造物の取り換え工事をしていた。1978年の営業運転開始以来初めての大工事だった。

工事は、原子炉真上の原子炉ウェルと呼ばれる部分と、放射能をおびた機器を水中に仮置きするDSピットに計1440立方メートルの水を張り、進められた。ふだんは水がない部分だ。

無用の被曝(ひばく)を避けるため、シュラウドは水の中で切断し、DSピットまで水中を移動。その後、次の作業のため、3月7日までにDSピット側に仕切りを立て、原子炉ウェルの水を抜く計画だった。

ところが、シュラウドを切断する工具を炉内に入れようとしたところ、工具を炉内に導く補助器具の寸法違いが判明。この器具の改造で工事が遅れ、震災のあった3月11日時点で水を張ったままにしていた。

4号機の使用済み核燃料プールは津波で電源が失われ、冷やせない事態に陥った。プールの水は燃料の崩壊熱で蒸発していた。

水が減って核燃料が露出し過熱すると、大量の放射線と放射性物質を放出。人は近づけなくなり、福島第一原発だけでなく、福島第二など近くの原発も次々と放棄。首都圏の住民も避難対象となる最悪の事態につながると恐れられていた。

しかし、実際には、燃料プールと隣の原子炉ウェルとの仕切り壁がずれて隙間ができ、ウェル側からプールに約1千トンの水が流れ込んだとみられることが後に分かった。さらに、3月20日からは外部からの放水でプールに水が入り、燃料はほぼ無事だった。

東電は、この水の流れ込みがなく、放水もなかった場合、3月下旬に燃料の外気露出が始まると計算していた。(奥山俊宏)

*   *   *

偶然のミスで大惨事を回避したって「小説より奇なり」を地でいってますね。
ほんとは誰かの夢の中とかじゃないのか、この世界。

この記事の通りなら、前に書いたエントリの「4号機は倒壊していいと思います。」は撤回しないといけないかもしれません。

記事によると、4号機の燃料は現状ほぼ無事とのこと。そして、もし燃料の外気露出が始まると、福1、福2を放棄せざるを得ない、とあります。

そうなると、福1の1〜4号機とは別のリアクターが再び水素爆発する可能性が出てきます。他のリアクターは密閉されてますから爆発する危険性は充分にあります。というか、放っておくと爆発することは実証済みです。

もし新たな爆発が起これば、当然、日本各地に再び放射能がばらまかれます。つまり、原発敷地内だけのハナシではなくなる。

でも、これに関しては眉唾なところはあります。今だって1〜4号機の燃料は外気露出してるんですから。ただ、4号機のプールは燃料の量が莫大であるということは確かに恐い。

まあ要は、どうなるのか分からないってことです。
いずれにせよ、何か起こったらこれしか無いと思いますが。

2012年3月2日金曜日

ガレキ処理についての正論

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*   *   *

復興に向けて 首長に聞く 2012年02月29日
http://mytown.asahi.com/iwate/news.php?k_id=03000001202290001

(一部引用)
【伊達勝身・岩泉町長】

現場からは納得できないことが多々ある。がれき処理もそうだ。あと2年で片付けるという政府の公約が危ぶまれているというが、無理して早く片付けなくてはいけないんだろうか。山にしておいて10年、20年かけて片付けた方が地元に金が落ち、雇用も発生する。

もともと使ってない土地がいっぱいあり、処理されなくても困らないのに、税金を青天井に使って全国に運び出す必要がどこにあるのか。

*   *   *

引用した岩手県・岩泉町長の言葉。
まったく一言一句、その通り。

阪神大震災でも東日本大震災とほぼ同量の2000万トンのガレキが出ましたが、神戸と大阪ですべて処理したとのことです(3年で処理完了)。今回、放射能という余計なオマケがありながら、なぜ、わざわざガレキを全国に運び出そうというのか。

まあ普通に考えて、ガレキ処理による利権が絡んでいることと、あとは日本特有の放射能を全員で分かち合おうという意識が働いているんでしょう。

*   *   *

と思ったら、ガレキを東北から沖縄まで運ぼうとしてるし。アホか!
んなもん調べるまでもなく、意味不明、コストの無駄!

沖縄、がれき受け入れ検討 2012.2.28 13:42
http://sankei.jp.msn.com/region/news/120228/okw12022814310002-n1.htm

(引用)
沖縄県の仲井真弘多知事は28日、岩手、宮城、福島3県の沿岸市町村で生じた震災のがれきの受け入れが、沖縄県内で可能か調べるよう、県庁の関係部署に指示した。県幹部が明らかにした。

仲井真知事は28日、記者団に「焼却炉や輸送コストなど技術的に可能かどうか調査したい」と述べた。野田佳彦首相と会食した26日夜、「調査した上で、可能であれば検討する」と伝えたことも明らかにした。

*   *   *

なぜ私が、ガレキを拡散することに反対しているかというと、原発災害が起こった地域の物はなるべく動かさない方がいい、という大原則があること。それに加えて、放射能の検査態勢があまりにずさんだからです。

シンチレーションやガイガーなどの計測器で表面線量を測るだけとか、下手するとコンテナの外から測ったりといった具合で、さらに、8000ベクレル/kgというトンデモ基準を設けたうえで、汚染ガレキと非汚染ガレキを混ぜ合わせて薄める、なんてバカげたことも行われています。そんなことでごまかそうとしてばかりだから、もう行政のやることすべてが信用できない状態なのです。

被災地にガレキがたくさんあって、それを処理する必要があることは私も分かってますよ。被災地の人たちが苦しい思いをしてることも分かってます。でも、全国の廃棄物処理施設には、放射性廃棄物を処理するための設備はありません。フィルターだのなんだの取って付けてそれでOK、とはいかないのです。放射能が濃縮された灰やフィルターなどにも対応できる、汚染ガレキ専用の処理施設を、なるべく被災地に近いところに建設するべきなのです。上の町長の言葉にあるように、それが地元の雇用にも繋がります。

食品の基準値だって、ガレキ処理だって、行政が誠実な対応で、やるべきことをやってくれれば、私も反対しません。それが万全の態勢で、どうしても必要ということなら、他県に持っていくのも良いでしょう。ですが、利権と分け前のことしか考えていない官僚と自治体に、そんな誠実な対応は望むべくもありません。もちろん、上の町長のように、まともな首長も少なからずいます。そうした人たちは、国のやり方に異議を唱えているのです。

いちばんやっかいなのは、物知り顔でヒューマニズムを語る大人ぶった人たちです。不都合なことは見ようとせずに、ただ良い顔をしたいばかりで「他県も協力すべきだ」とか言っている人は、もう少し実態を知って欲しいです。

*   *   *

追記:2012/03/06 18:48

Twitterより
「報道ステーションに抗議電話した。まるで宮城や岩手ががれき広域処理を望んでいるかの様な内容だったが真実は違う!陸前高田市長が地元に瓦礫処理プラントを建設し地元で雇用を増やしたいと申請したが国から無視され怒っている。瓦礫を全国に持って行かないで、と」

★環境総合研究所 池田こみち 副所長
http://p.twpl.jp/show/orig/op613
『被災地に何度も足を運んでいるが、「がれきがあるから復興が進まない」という話は聞かない。被災地では、住宅再建や雇用の確保、原発事故の補償を求める声が圧倒的だ。がれきは津波被害を受けた沿岸部に積まれるケースが多いが、そこに街を再建するかはまだ決まっていない。高台移転には、沿岸部のがれきは全く障害にならない。がれきが復興の妨げになっているかのような論調は、国民に情緒的な圧力を加えているだけだ』
(東京新聞 2012年2月)

★南相馬桜井市長@3月6日 BS11「瓦礫で防潮堤を作りたい。宮城・岩手から瓦礫をもらいたいぐらいだ。」(8月、国交大臣が前向きになるも、そのまま↓)
http://www.47news.jp/localnews/hukushima/2011/08/post_20110821101635.html
大畠章宏国土交通相は20日、桜井勝延南相馬市長から提案された放射性物質が基準値以下の木質系がれきを活用し防潮林・防潮堤を造る計画について、技術的な支援や事業費の補助を、政府の第三次補正予算案に盛り込む考えをがれきの仮置き場を視察後報道陣に明かした。  

*   *   *

追追記:2012/03/13 12:52

「みんなの力で瓦礫処理」田中康夫
http://blogos.com/article/33513/

(一部引用)
阪神・淡路大震災以前から、産業廃棄物も一般廃棄物も「持ち出さない・持ち込ませない」の域内処理を自治体に行政指導してきた政府は何故、豹変したのでしょう? 因(ちな)みに東京都に搬入予定の瓦礫処理を受け入れる元請け企業は、東京電力が95.5%の株式を保有する東京臨海リサイクルパワーです。

などなど、田中氏、まともなことを言ってます。

*   *   *

こちらのエントリもどうぞ。
数々のウソと、汚染ガレキに対する徳島県の毅然とした態度!

*   *   *

コメント用の追画像

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コメント用に追記
2012/03/22 1:06

コメントいただいた匿名さんに答えます。

コメントで私が「ゼロベクレルが絶対条件」と書いたのは、もちろん今回の原発災害以前に存在していた放射性物質を除いて、です。それぐらいは読み取って欲しかったですけど ^ ^

でもまあ、匿名さんの指摘を受けてコメントに書いた「ゼロベクレル」は撤回します。

では、何ベクレルのガレキなら許容できるか、というと、もともと私はガレキを移動すること自体に反対なので、あまり意味は無いのですが、一応参考になるデータを挙げます。


クリックで拡大

東電が発表しているクリアランスレベルについてです。
このページは東電のHPでいまでも見られます。
http://www.tepco.co.jp/nu/qa/qa11-j.html

(引用)
一般に、ある物質に含まれる微量の放射性物質が持つ放射能に起因する線量が、自然界の放射線レベルに比較して十分に小さく、人の健康への影響を全く考慮する必要がないものであるならば、その物質を放射性物質として扱わないことを「クリアランス」といいます。原子力発電所から出てくるコンクリートや金属などが、どのように再利用されたり、廃棄物として埋め立てられたとしても、人体への影響が無視できるといえるよう、再利用および埋設処分を想定した評価経路の計算結果から定められた放射能レベル(それ以下であれば放射性物質として扱わなくて良いレベル)のことを「クリアランスレベル」といいます。具体的には、各事例の計算結果から、人への健康への影響が1年間あたり0.01ミリシーベルト(mSv) ※1 を超えないよう、放射性核種ごとに濃度が定められることになります。例えば、コバルト60という放射性核種のクリアランスレベルは1グラムあたり0.1ベクレル(Bq) ※2 になります。放射能濃度がクリアランスレベル以下であることを所要の手続きにより確認し、普通の産業廃棄物と同様に、性状等に応じて再生利用や処分を可能とする制度が「クリアランス制度」です。

とあります。文中ではグラム換算なのでキロに直すと、コバルト60で100ベクレル/kgです。

現状の基準値は、セシウムだけで8000ベクレル/kgです。他の核種は測りもしていません。現在のガレキ議論では、このクリアランスレベルが完全に無視されているのです。

それで安心・安全だと、なぜ言えるのか理解できません。というか、何度も言っているように、8000ベクレルの基準さえ守られているかすら怪しいのです。

匿名さんのコメントに「相対的に岩手より関東が高い」とありますが、その通り関東も汚染されています。それについての対処が必要です。だからといって「がれき受け入れを反対する理由が無い」ことにはなりません。汚染された場所それぞれの土地で、対処する必要がある、ということです。

ホットスポットという言葉があるように、場所によって、汚染はまだらに起こります。均等に降り注ぐわけではなく、低い場所と高い場所が混在しているのです。それらすべてを把握することは非常に困難です。この認識についても乖離してますね。

それに、ガレキの問題は岩手県から関東に移動するだけの話ではありません。西日本、九州、沖縄までが受け入れ検討しているのです。宮城県の隠蔽体質もひどいですし。

あと、体内にもカリウム40などの放射性物質があることももちろん知っています。
自然に存在する放射能と今回原発から放出された放射能との違いについては、
自然放射性物質と人工放射性物質のちがい
http://mononomikata-kerogg.blogspot.jp/2011/09/blog-post_02.html
を参照してください。

核実験などで放出された放射能があることも承知しています。ですが、今回の原発災害で降り注いだ放射性物質の量は、50〜60年代の核実験、チェルノブイリ事故で日本に降下した量の比ではありません。桁が違うのです。
参考
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65796289.html

「一時的に雇用を作っても、数年で仕事が無くなるのでは意味が無い」とありますが、数年で処理が済むのなら、現地でやればいいじゃないですか。都市部に作れば後で使える、とか効率の話をするなら、大量のガレキの運搬こそ無駄の極致です。

「恒常的なごみ処理の需要」は地方にもありますし、都市部での通常のゴミ処理施設はすでにあるので、新たに作る必要に迫られているわけではありません。

そしてなにより、いろいろな技術的な話以前に、現状、日本の行政がまったく機能していないことが問題だ、と私は主張しているのです。

これらを踏まえて、今回の原発災害で汚染されたガレキを他県、全国に拡散するのはナンセンスだと思ってもらえないのなら、それはもう仕方ないですね。

あまりに意見が違いすぎるので、ちょっと疲れました。

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