2011年12月26日月曜日

山形でセシウムが降ってますよ。

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク
なんと申しますか、脱力感でいっぱいな今日この頃です。

私も日本の教育を受けて、日本の世間の中を生きてきたわけで「空気を読む」という能力は、まあ人並みには身に着けているわけです。その上で、空気を払いのけながら生きることの難しさよ。

で、そこかしこに流れているのは「まだ放射能、気にしてるの?」「もうそのハナシはいいよ。興味無いし」という空気。

3月以来、他人には口出しすまいと、思っていたのをちょっと忘れ、オフラインでポロッと口に出すと、会話している相手の腹の中から聞こえる溜息。

メンドクサイのは嫌なので、もはや他人に口出しすまい、と再び初心に帰りますが、オンラインでブログを書くのも、この脱力感はいかんともしがたいものがあります。

でも、せっかく続けているのだから、ブログはちょっとずつでも更新しますよ。

*   *   *

と、うだうだ言うとりますが、下記の表をご覧ください。

クリックで拡大

これは文科省の定時降下物のモニタリングの表です。12月21日9時〜12月22日9時に採取された放射性物質の定時降下物。

山形市で、福島市の14倍にあたる41MBq/km2(セシウム134と137の合計)が検出されています。

表はこちらのブログより引用しました。

同ブログによると、山形県最上町が宮城県松島町のがれきを搬入し、すでに焼却を開始しているとのことです。

雪の降るホワイトクリスマスならぬ、セシウムが降るクリスマス。ロマンチックですねー。

もう多くを語るのは止めましょう。なんせ脱力感でいっぱいですから。

2011年12月22日木曜日

発送電分離、実現の目が出てきた。

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク
橋下市長と石原知事、「発送電分離」株主提案へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111221-00001226-yom-bus_all

(引用)
大阪市の橋下徹市長は21日、東京都の石原慎太郎知事、猪瀬直樹副知事と都庁で会談し、来年6月の関西電力と東京電力の株主総会で、発電部門と送電部門を切り離す「発送電分離」をそろって提案することで合意した。

各地域の電力会社が独占している供給体制を抜本的に見直し、新規参入を促す狙いがある。また、橋下市長が来年2月の市議会に提案予定の「教育基本条例案」については、石原知事も東京都議会での提案を検討する意向を示した。

橋下市長によると、発送電分離の株主提案は猪瀬副知事と意見が一致し、石原知事も了承したという。大阪市は関電の筆頭株主で、東京都は東電への出資比率で第3位。それぞれ単独では過半数に届かないが、連携強化で他の株主の賛同を得たいとしている。教育への政治関与を掲げる教育基本条例案に、石原知事も趣旨に賛同、「都議会でも提案してみたい」との意向を示したと説明。橋下市長は報道陣に「東京と大阪から教育を動かしたい」と述べた。

*   *   *

暫定基準値と同じく、このブログの大きなテーマであった発送電分離の話も出てきました。確かに、今勢いに乗っている橋下氏ぐらいしかできないかも。

東京都と大阪府というのは非常に強力なタッグで、ある意味、国よりも力を持っていると思います。これと電力利権との対決となれば、なかなか良い勝負のような気がする。あとは国民の後押しがあれば、勝てると思います。

今の電力利権の問題は、発電部門と送電部門を1社が独占していることに集約されます。自由市場経済の基本である競争が無いため、膨大なリスクとコストを内包する原子力発電を推し進めることができたのです。原発を作れば作るほど、電気料金としてカネが集まる仕組みができています。

発送電分離が実現されて、エネルギーの自由化が行われれば、

●電気料金は1/2〜1/3にまで下がります。
●太陽光発電や潮力、地熱、風力など自然エネルギーの技術が進歩します。
●電気を買う会社を選べるようになります。

これが本来あるべきカタチなのです。

大阪のガレキ受け入れについては、多方面で紛糾してるようですが、橋下氏には、反原発と同じように放射能問題も軽んじずに考えて欲しいですね。

おまけ。

2011年12月21日水曜日

来年4月からの新基準案。一般食品100ベクレル/kg、乳児50ベクレル/kg。

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク
一般食品100ベクレル 飲料水10ベクレル 放射性物質の新基準値案
http://sankei.jp.msn.com/life/news/111220/trd11122023060015-n1.htm

(引用)
食品に含まれる放射性物質の暫定基準値に代わる新たな基準値作りを進めている厚生労働省は20日、「一般食品」は1キロ当たり100ベクレル、新設の「乳児用食品」と「牛乳」が同50ベクレル、「飲料水」は同10ベクレルとする新基準値案をまとめた。暫定基準値より大幅に厳しい値となる。22日の薬事・食品衛生審議会の部会で提示する。新基準値は来年4月から適用される見通し。

厚労省は、新基準値設定にあたり、放射性セシウムによる年間被曝(ひばく)の許容上限を暫定基準値の「5ミリシーベルト」から「1ミリシーベルト」へ引き下げることを決定。「1歳未満(乳児)」「1~6歳」「7~12歳」「13~18歳」「19歳以上」の年齢区分でそれぞれ許容できる上限値を計算し、最も厳しい値を採用するとしていた。

厚労省によると、世界保健機関(WHO)の基準を踏まえ、年間被曝許容上限1ミリシーベルトのうち0・1ミリシーベルトを「飲料水」に振り分け、1キロ当たり10ベクレルと設定。その上で食品中の放射性セシウムによる年間被曝を残る0・9ミリシーベルト以内に抑えられるよう、平均食品摂取量などを考慮し、各年齢区分や男女別の1キロ当たりの上限値を計算した。

その結果、許容上限値が最も厳しかったのは、食べ盛りで食品摂取量が多い13~18歳の男子で1キロ当たり120ベクレルだったが、安全性を重視し「一般食品」は同100ベクレルとした。乳幼児の年代も計算上の上限値は120ベクレルを超えているが、被曝の影響を受けやすいとされることに配慮。「乳児用食品」と子供の摂取量が多い「牛乳」は「一般食品」の半分の同50ベクレルとした。

*   *   *

来年4月から新基準値が適用される見通し、とのニュース。
事故から1年以上かかりましたね。

本当なら、3.11以前の基準に戻すことが理想ですが、とまれ、現状より低くなることはまあ良いことではあります。暫定基準値の撤回はこのブログを始めたときからの最大のテーマでしたから。

スーパーで目に付いたものをカゴに放り込んだり、街のレストランや定食屋になんの気兼ねもせず入れる時は、再び来るのか。

今、私は結構たくさんのことを判断保留しています。
答えが出揃うのには数年かかると考えています。

2011年12月20日火曜日

福島以外のガン発生を増やしたい、と細野原発担当相

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク
(田中龍作ジャーナル)

福島を日本で最もガン発生の少ない県にする。これは可能だと思っている

この言葉は、12月19日、日本外国特派員協会の記者会見で細野豪志・原発事故担当相が発したものです。

ちょっと補足して分かりやすくすると「今のままでは無理だが、人為的になんらかの施策をすることで『福島を日本で最もガン発生の少ない県にする』ことは可能である」という意味だと思われます。

ここで重要なのは「福島をガン治療率の最も高い県にする」とか「ガン死亡率の少ない県」とかではなく「ガン発生の少ない県にする」と言っている点です。

3.11以降、福島を中心に大量に降下した放射能の被曝によるガン発生は確実に起こります。で、その発生数を相対的に少なくするためには、他の地域のガンを増やすしか方法はありません。

つまり、福島にガンが出るのは仕方無い。ならば他府県からもっと出せば良いではないか、と。こうなるわけです。

となるとやはり、汚染ガレキと汚染食品を全国にばらまいているのは、福島以外でのガンを増やそうとするためだった、と考えられます。だって何もしなければ、確実に福島が最もガン発生が多い県になるんですから。

以前から何度か、福島県内では福島産の食べ物がそれほど消費されていない、という報道を見たことがあります。それは良いことだと思います。でも、自分たちが食べないものを、他府県にばらまくのは、どうかと思いますよ。

言い回しや細かなニュアンスには、その人間の考えていることが反映されます。細野氏の発言には「福島の被害をごまかすために、放射能を拡散して全国に病気を広めよう」という意図が含まれているのです。

病気になる必要の無い人たちにまで病気を押しつけるのが、日本古来の和の精神なのでしょうか? 私には理解できません。

2011年12月16日金曜日

原発事故は収束した、と野田総理大臣

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク

首相「原発事故は収束」と表明 ステップ2終了を確認
http://www.asahi.com/special/minshu/TKY201112160368.html

野田政権は16日の原子力災害対策本部で、東京電力福島第一原発事故の収束に向けた工程表ステップ2(冷温停止状態の達成)終了を確認した。本部長の野田佳彦首相は会合で「原子炉は冷温停止状態に達し、発電所の事故そのものは収束に至ったと判断される。これを持ってステップ2は完了となる」と表明した。

*   *   *

原発事故は収束した、と、この国の総理大臣が言ってます。いやー、よかったよかった。もっとかかるかと思ってたけど、意外と早かったですねー。これで安心安全です。

で、溶け落ちた燃料はどこにあるの? 温度は何度なの?
12月になっても、未だにヨウ素が検出されてるのは、一体どういうワケ?
食品の暫定基準値はそのままなの?

収束というより、野田総理の脳みそが収縮してるんじゃないのか?
まあ官僚の無線スピーカーとしてしか発言できないのなら仕方無いのかもしれませんが。

*   *   *

言われんでも分かってますが、情けない。

海外メディア 冷温停止を疑問視
(一部引用)
「ニューヨークタイムズ」は、電子版で「専門家は『冷温停止状態』の宣言を強く疑問視している」としたうえで、「年内にステップ2を達成するという公約を果たすための、現実を無視した宣言であり、原子炉の安全性への脅威から目をそらせることがねらいだ」とする専門家の見方を伝えています。

海にどれだけ汚染水を放出してもゼロ扱いにする、と保安院

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク
保安院 海への汚染水 ゼロ扱い 
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011121690070643.html

福島第一原発事故で、何度も放射性物質を含む汚染水が海に漏出したが、経済産業省原子力安全・保安院は「緊急事態」を理由に、法的には流出量は「ゼロ」と扱ってきたことが本紙の取材で分かった。今後、漏出や意図的な放出があってもゼロ扱いするという。政府は十六日に「冷温停止状態」を宣言する予定だが、重要な条件である放射性物質の放出抑制をないがしろにするような姿勢は疑念を持たれる。

原子炉等規制法により、電力事業者は、原発ごとに海に出る放射性物質の上限量を定めるよう決められている(総量規制)。福島第一の場合、セシウムなどは年間二二〇〇億ベクレルで、年度が変わるとゼロから計算される。

しかし、四月二日に2号機取水口近くで高濃度汚染水が漏出しているのが見つかり、同四日には汚染水の保管場所を確保するため、東京電力は建屋内のタンクに入っていた低濃度汚染水を意図的に海洋に放出した。

これら二件の漏出と放出だけで、原発外に出た放射性物質の総量は四七〇〇兆ベクレル(東電の試算)に達し、既に上限値の二万倍を超える。

試算に対しては、国内外の研究機関から「過小評価」との異論も出ている。

今月四日には、処理済みの汚染水を蒸発濃縮させる装置から、二六〇億ベクレルの放射性ストロンチウムを含む水が海に漏れ出した。

さらには、敷地内に設置した処理水タンクが来年前半にも満杯になる見込み。この水にもストロンチウムが含まれている。東電はできるだけ浄化して海洋放出することを検討している。漁業団体の抗議を受け、当面は放出を見送る方針だ。

保安院は本紙の取材に対し、事故への対応が最優先で、福島第一は損傷で漏出を止められる状態にない「緊急事態」だった点を強調し、総量規制を適用せず、四七〇〇兆ベクレルの漏出をゼロ扱いする理由を説明した。

「緊急事態」に伴う特例扱いは「事故収束まで」続くとも説明したが、具体的な期間は「これからの議論」とあいまい。

今後、仮に放射性物質を含んだ処理水を放出したとしても、ゼロ扱いを続けるという。
(東京新聞)

*   *   *

この記事、ちょっと何言ってるか分からない。

電通からの圧力でTV報道では収束したように見せかけて、都合の良いときだけ「緊急事態」を持ち出して、緊急だからどれだけ汚染水垂れ流してもノーカウントって。

日本人のみならず、全世界の人口の平均寿命を縮めたんですよ? クソみたいなたかが一企業と、その金魚の糞みたいな団体及び、政府が。地球の命の根源である海に、膨大な放射性物質を垂れ流したんですから。

ちなみに記事では4700兆ベクレルとありますが、とっくに京ベクレルオーダーなのは明らかです。

これで冷温停止? 福2の避難区域解除?
どーなのよこれ。

2011年12月15日木曜日

放射線は「確率」ではなく「確実」に細胞・遺伝子を破壊する

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク

このブログでも、度々書いてきましたが、放射能による健康被害は、被曝線量の高低により、異なる発現の仕方があります。“ただちに”症例の表れる急性障害(確定的影響)と、数年〜数十年のスパンで表れる晩発性障害(確率的影響)に分かれるのです。

で、最近気付いたのは、この「確率的」という言葉が、ある種の勘違いを呼んでいるかもしれない、ということです。

「確率的」と聞くと、どうしても、全体の中の一部にだけ、ガンや白血病の人が出てくる、というイメージになってしまいます。1%なら、100人に1人、100万人に1万人、といった具合に。これは実際にその通りで、日本国民は今、強制的にロシアンルーレットをやらされている、といえます。リボルバーの弾倉と弾の数は分かりませんが。

そう、確かに、ガンや白血病に限れば、この「確率的」という言葉は決して間違いではない。間違いではないけれども、実際は、それよりも深刻なのではないか、と思うのです。

放射能による健康障害というのは、致命的なガンや白血病、心筋梗塞だけでなく、ありとあらゆる障害を引き起こします。

チェルノブイリ事故でよく知られているのは、脳への障害です。知能の低下、意欲の減退、言語障害といった、即死につながらない健康被害が数多く報告されています。また、日本に原爆が落とされたときは、原爆ぶらぶら病という病気が多数見られました。

ほかにも、血管の閉塞、結膜・網膜異常、呼吸器不全、消化器障害など、あらゆる健康被害が予想されます。しかも1種類だけでなく、何種類もの病苦が重なることも容易に想像できます。

で、「確率的影響」という言葉が使われるのは、ガンや白血病などのある意味分かりやすい病気に対してだけだ、ということです。そのほかの、全身に及ぶ健康障害については「確率的」とは明記されません。相関関係が証明されていないからです。

脳の障害や、複合的に症状が現れる内臓疾患、個人によって発現の仕方が違う病気は、病名を確定することすら困難です。ガンや白血病と違って、統計が取れないのです。

そのため、これらの症例は、今後、長い将来にわたって、裁判で放射能による障害と認められることはありません。曖昧な症状の出方では、賠償されることはまず無いのです。といっても、分かりやすいガンや白血病に対してさえ、政府・東電は逃げ切る気満々ですが。

外部被曝と内部被曝については散々書いてきたので端折りますが、放射性物質は放射線を放ち、細胞や遺伝子を傷つけます。これは確率のハナシではありません。取り込んだ量によって程度の違いはあれ、被曝した人は「確実に」体を傷つけられるのです。

もちろん人間が元々持つ細胞の修復力はあります。でも、修復されるにせよ、1度は傷つけられたという事実は変わりません。そしてDNAの2本の鎖が同時に損傷されると、復元能力を失います。

そして、個人の感受性の違いがあるので、同じ被曝量でも同じ症状が出るとは限りません。(こうした放射能の特性を政府や電力会社が熟知していることが、一番腹が立ちます)

何が言いたいかというと、「確率的」という言葉に惑わされて、ある特定の人数だけに健康障害が出るのだろうと考えてはいけない、ということです。放射能をルーレットや富くじ(貧乏くじ?)のようなものと捉えるのは間違いなのです。私もいままで、そう考えていたフシがあります。

被曝した分だけ確実に何かしらの影響が出る、と考えるのが、正しい思考なのだと思います。ただ、それがストレスになって、病気になってしまっては元も子も無いのですが……。

*   *   *

最近、関東以北での体調不良や急死のニュースを多く見かけます。その内のどれだけが放射能の影響なのかは分かりません。が、もし亡くなった人が汚染された空気を吸い、食品を食べていたのなら、その死と放射能は、完全に無関係と切り捨てることはできないのではないか。福島由来の放射能により、多少なりとも、細胞・遺伝子が傷つけられたことは事実なのですから。

ちょっと前に、インターネットのどこかで「風評被害の対義語は予防原則である」と書かれていました。まさにその通りだと思います。

予防原則を徹底すること、根拠も無く自分だけは大丈夫と思い込まないこと。これが、放射能と戦う上での唯一の方法なのです

2011年12月13日火曜日

今年の漢字は「絆」

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク

毎年恒例の、今年の漢字が決まりました。
「絆」です。

どこか白々しい響きもありますが、その語源は実に意味深なものでした。

*   *   *

絆(きずな)

【意味】
絆とは、断つことのできない人と人との結びつき。ほだし。「紲」とも書く。

【絆の語源・由来】
絆は犬や馬などの動物を繋ぎとめておく綱のことをいい、平安中期の辞書『和名抄』にもその意味で使用例が見られる。絆は離れないよう繋ぎとめる綱の意味から、家族や友人など人と人を離れがたくしている結びつきを言うようになった。絆の語源は諸説あり、「頸綱(くびつな)」「騎綱(きづな)」「繋綱(つなぎつな)」の意味、「引綱(ひきつな)」の上略など、動物を繋ぎとめる綱という点で共通している。

語源由来辞典より引用

*   *   *

自治体、行政の非人道的な施策によって、放射能で汚染された土地に繋ぎとめられた人々。身動きのできない家畜を表すこの漢字は、選んだ人にその意図があったかどうかは別として、まさに今年の日本を象徴する一字だと思います。

2011年12月12日月曜日

もう除染やめようよ

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク
除染作業の男性死亡
http://www.topics.or.jp/worldNews/worldFlash/2011/12/2011121201001972.html

福島県伊達市の下小国地区で除染作業の男性(60)が急病で死亡と政府の原子力災害現地対策本部。

*   *   *

なぜか、素人でも簡単に除染できる、みたいな風潮があります。高圧洗浄機でコンクリートを流してみたり、ドブの中をさらったり、土の表面を削ったり。しかもマスクもタイベックも着けずに。

まるで町内会の大掃除のように、皆さん作業してますが、放射能というのは、落ち葉とか油とかウンコとかと違って、劇的な毒性を持った超危険なしろものなんですよ? 忘れてるよね絶対。まあ上の記事で死亡した方が、放射能の影響かどうかは分かりません。どうせ「プライベートな病気」と発表されるのでしょう。

本当に怖いのは、晩発性障害です。数年後になって出てくる病気が怖いんです。

放射性物質というのは、自然分解したり、消滅したりしません。水で流せば、場所を移すだけですし、下手すると余計に汚染を広げる恐れもあります。素人の手に負えるものじゃないのです。水で流すだけで放射能がきれいさっぱり無くなるんだったら、別に放射能怖くないじゃないですか!?

前にも書きましたが、「除染しなくてはいけない土地」には、人は住んではいけないのです。だって、そこは除染しなくてはいけないほど汚染されているのだから。

移住してから、専門のチームなりが入って大規模な除染を行うのなら、まだ分かりますが、素人の住人が放射能を吸い込み、低線量被曝し続けながら意味があるのか無いのか分からない除染を行う、なんてのは、愚の骨頂だと思います。

参考
米紙、除染への悲観論紹介 「最大の浪費事業になるかも」
除染は無理でしょ常識的に考えて

2011年12月8日木曜日

もし、放射性物質に色があったら

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク
赤いペンキをかぶったような田畑、真ピンクに彩色された家々。
市街地には、ところどころに濃いオレンジが落ち、
都心には、うっすらと黄色がかった靄がかかる。

もし、放射性物質に色があったら、人々の反応はかなり違うものだったでしょう。もちろん毒性・危険性は今とまったく変わらず、で。

目に見えない危険性を感じ取る力は、人によって異なるようです。
五感ではただちに感じ取れないことが、放射能の最も罪深い性質なのです。

そして、放射能が見えないことを最も良く知っているのが電力会社です。
彼らは原発が事故を起こした際のマニュアルを練りに練っていました。
今回の事故の原因が想定外だったとしても、事故後の対応は想定内なのです。
現在の日本の置かれた状態を見ると、とても残念ですが、電力会社のプロパガンダは大成功した、と言えるでしょう。

今、我々には、見えない色を見る力が求められている、のです。

2011年12月7日水曜日

ベルリンで行われた飯館村・前田区長のスピーチ

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク

転載OKとのことなので、全文転載します。
福島県知事といい、飯館村村長といい、なんと愚かな人間が、首長に座っているのでしょうか。

*   *   *

福島県飯館村前田区、長谷川区長さんのスピーチ

(ここから転載)
今日、ベルリンにて、ブント(ドイツ自然•環境連盟)、ドイツ放射線防護協会、ベルリン日独平和フォーラムという三つの団体が共同で「福島県の人びとによる報告」と題する講演会を行った。

参加者は120人ほど。日本人もたくさん来ていた。非常に濃い内容だったので、そのすべてをここに記したいところだが、ひとまずは講演者の一人、福島県飯館村前田区区長である長谷川健一氏のスピーチ内容を紹介したい。大変印象深く心を打つスピーチであった。録音機などは持参しなかったので必死にディクテーションした。そのため、100%長谷川氏の言葉通りではないことをあらかじめお断りした上で、内容をできるだけ忠実に書き留めたものを以下に転載する。

(ここからスピーチ)
私は、福島第一原発事故のヒバクシャです。私の住む飯館村にプルトニウムが降ったのです。放射能は目に見えませんが、もし見えるならば、私の体は今、ドイツの街を輝かせるクリスマスの飾りのように光っていることでしょう。

事故が起こってすぐ、私は原発がおかしい、何かが起こっているのではと強く思いました。そして、新聞に三号機の爆発が発表された3月14日、私は慌てて村役場に飛んで行きました。「原発はどうなっているのですか」と問いただすと、「大変なことが起きている。空間放射線量が40マイクロシーベルトを超えている」という説明を受けました。驚いた私が部屋を出ようとすると、役場の人はこう言うのです。「誰にも言わないでくれ。村長に口止めされているんだ」

しかし、私はすぐさま部落に帰り、言うなと口止めされたことなど気にせずに部落の人に危険を知らせました。翌朝、3月15日の朝、6時半に地区の人が続々と集まって来ました。そのとき、外は雨が降っていて、そのうち雪に変わりました。後でわかったことですが、ちょうどその頃、飯館村の放射線量は100マイクロシーベルトを超えていたのです。それを知らせてくれたのはジャーナリストの方です。大勢のジャーナリストが村に来ていたのです。私は、地区の住民に言いました。「外にはなるべく出るな。どうしても出なければならないのなら、マスクをしろ。肌を出すな。外から帰ったら玄関で服を脱ぎ、風呂に入るかシャワーを浴びるかしろ。畑の野菜を食べてはいけない。換気扇を回すな」と。そのとき、北西の風が吹いていました。飯館村は原発からの放射能の風をまともに受けてしまったのです。

私は、ジャーナリストをかき集め、訴えました。「飯館村を避難対象にしてくれ。どうか、それを報道してくれ」。しかし、それはかないませんでした。避難を希望する者がいるなら避難してもよいが、村は避難対象にならないと言われたのです。ですから、一部の人しか避難しませんでした。

これは公式に発表された村の放射線量です。3月15日の午前6時20分のところを見て下さい。44.7マイクロシーベルト/時と書いてあります。ジャーナリストから知らせてもらった数値は100マイクロシーベルト以上です。なんという違いでしょう。公の発表は正しい数値ではないのです。嘘の報道をしているのです。

そして、国や県から、専門家達が次々に村にやって来ました。みんな口々に、大丈夫だ、安心しろと言います。しかし、その少し後に、今度は別の大学の先生のチームがやって来て、村中の放射線量を測りました。先生は「おそろしい。こんなところに住んでいてはいけない。私達が集めたこのデータを村長のところへ持って行ってください。避難しなければなりません」と言いました。しかし、村長は「このデータは公表しないでくれ!」と叫んだのです。村長は村を守ろうとしました。村をゴーストタウンにしたくなかったのです。

そのまま二ヶ月半もの時間が経過しました。避難せずに住み続け、子ども達を被曝させてしまいました。その後、村は計画避難区域に指定されましたが、その前日の4月10日には国の方から偉い学者がやって来て、安全だと言っていたのです。それなのに、翌日の11日になると、「危険だ!避難しろ」と突然言われ、村民は怒りました。

私は酪農家です。この写真は私が事故後に牛乳を捨てているところです。毎日、牛乳を捨てました。村が避難の対象となったとき、牛は連れて行ってはいけないと言われました。私達は泣く泣く酪農を諦めることになりました。この酪農家の奥さんは、牛が乗ったトラックを「ごめんね。ごめんね」と言いながら追いかけました。そしてこの若者は、東京生まれで、どうしても酪農がやりたくて村へ移住して来た人です。飯館で10年間酪農をやって、ようやく軌道に乗ったとき、それを諦めなければならなくなりました。彼はそれが悲しくて泣いているのです。飯館村では、村人がみんなで力を合わせ、良い村作りに励んで来ました。日本一美しい村に推薦され、認められた村です。その村が放射能に汚染されました。

そして、ある日、私がもっとも恐れていたことが起こりました。相馬市の同じ酪農家の友人が自殺したのです。この写真に写っているのは友人が亡くなる前に壁に書き残した言葉です。「原発さえなければ」と書いてあります。「2011年6月10日 1時30分 大変お世話になりました。私の限度を超えました。ごめんなさい。原発さえなければと思います。残った酪農家は原発に負けずに頑張って下さい。仕事をする気力を無くしました」。時期を同じくして、隣の地区の102歳のおじいちゃんも自殺しました。南相馬市の93歳のおばあちゃんも「墓へ避難します」と書き残して自殺しました。こういうことが次々に起きたのです。これからも起こるでしょう。

これは7月下旬の私の自宅の雨どいの線量です。27,62マイクロシーベルト/時と出ています。現在、村民はみな避難していますが、我々は24時間体制でパトロールしています。雑草が伸びきって、温室の屋根を突き抜けています。これが今の飯館村の姿です。

私は、国が原子力を推進して来たのだから、国は事故の対策をきちんと取ることができるのだろうと思っていました。ところが、事故が起こって、今頃、どうやって除染をしたらよいかの実験をやっているのです。私達村民は、村に戻れるのかどうかもわからない状態です。でもただ一つ、はっきり言えることは、私は子どもや孫を飯館村へは絶対に返さないということです。飯館村の面積の70%は山です。家の周りや農地をいくら除染しても、山の除染はできませんから、山から放射能が移動して来るのです。我々は今から何年か後に、村を捨てる決断をしなければならないかもしれません。可哀想なのは子ども達です。子ども達は飯館村というステッカーを一生背負って生きて行かなければなりません。広島や長崎の被爆者とおなじように、差別を受けることになるでしょう。そんな差別の起きない社会を私達はなんとしてでも作っていかなければなりません。

今回このようにしてドイツを周り、私はドイツは素晴らしい国だと思いました。なぜなら、福島の原発事故の危険をきちんと見極め、ドイツは脱原発を決めたからです。それにひきかえ日本という国は、こんな事故が起こってもなおかつ、原発を再稼働するという。それどころか、原発を輸出しようとすらしているのです。そんなことは絶対に阻止しなければなりません。これからは、日本人も声を大きくし、戦っていかなければならないのだと思います。(ここまで)

*   *   *

先日、仕事で地方に行きました。周囲に田畑が広がっていて、大きな川が流れていて、という素敵な場所で、日本の山村の風景は本当に貴いものだ、と思いました。そこは関東以西ですが、多少の放射能プルームが来たことが分かっています(私のRadiでは空間線量0.05μSv/h程度でした)。でも、福島を中心とする大規模な日本の山里は、人が入ってはいけないほど汚染されたのです。

都市というのは基本的に鉄骨やアスファルトで出来ているので、別の土地に再生できます。でも、自然と一体化した山里の暮らしは、その場所にしか無いものなのです。そんな日本の田舎を、数百年、数千年の単位で汚染してしまった。取り返しのつかないことが起きてしまったのです。

この原発事故の衝撃は、太平洋戦争での敗戦以上だと私は思います。空襲で都市は失われても、山里は失われなかった。原爆ではウラン・プルトニウムはほとんどが爆発で燃やされたので、今回ほどの放射能の量では無かった。放射能は、国土、文化、自然、健康、すべて奪います。

それより何より、脱力してしまうのは、コトの大きさが分かっていない日本人が多すぎるということ。本当に、この国は白痴だらけだ、と感じています。

2011年12月6日火曜日

乳児の粉ミルク30ベクレルは、大人にとっての1500ベクレル!?(んでもって、これ、明治が自発的に調べたわけじゃないんですよ)

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク
明治の粉ミルク「ステップ」からセシウム、40万缶無償交換
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111206-00000072-reut-bus_all

[東京 6日 ロイター] 明治ホールディングス<2269.T>傘下の食品大手、明治は6日、同社の粉ミルク「明治ステップ」(850グラム缶)から1キログラム当たり21.5─30.8ベクレルの放射性セシウムが検出されたことを明らかにした。広報担当者によると、噴霧乾燥する際に使った熱風に一部放射性物質が混入したとみられる。

国が定める粉ミルクの暫定基準値は1キログラム当たり200ベクレルで、今回の検出量はこれを下回っている。

セシウムが検出されたのは賞味期限が2012年10月4、21、22、23、24日の製品で、同社は同3、4、5、6、21、22、23、24日の製品約40万缶を無償交換する。

*   *   *

このニュース、意外と大きく扱われていますね。世の中の食い付きポイントがよく分からん。

ところで、報道ベース(笑)には乗っていないのですが、この明治の一件は、NPO法人が独自に調査しそれを共同通信が配信したことで、明るみになったようです。決して、明治が自ら調査したものではない、ということです。ここ大事。

ついさっきも、NHKのニュースウオッチ9で報道されていましたが、このNPOについてはまったく触れていませんでした。相変わらず、クソみたいな番組ですね。

参照

NPO法人TEAM二本松
「市民放射能測定室」
http://team-nihonmatsu.r-cms.biz/topics_detail1/id=43

(引用)
明治乳業㈱が製造の粉ミルク『明治ステップ』からセシウムが検出されていることを、
明治乳業㈱側が認め、40万缶が無償交換されることになりました。
http://www.47news.jp/news/flashnews/
当測定室での測定結果を基に、共同通信社の記者さんが動いて下さいました。

*   *   *

で、何度も言ってますが、放射能の影響は、子供と大人で大きな差があります。
理由は以下。

市民放射能測定所のHPより引用)
成長期にある有機組織は、成長の終わった有機組織よりも細胞分裂の頻度が高いため、子どもたちは、大人にくらべて何倍も放射能感受性が高い。細胞分裂期の細胞は、(これは疑問の余地がないことだが)平穏期の細胞よりもイオン化された放射線によってはるかに強く危険にさらされる。子どもが、小さければ小さいほど、成長は早く、細胞分裂の数は、多い。つまり、最初の妊娠12週の胎児の胚は、もっとも大きな放射線による損傷リスクを背負っている。一つの胚にとってこれより下なら危険はないという限界値は、存在しない。また赤ん坊、幼児、児童も、成人に比べて、放射能によって著しく強く危険にさらされている。

放射能に対する大人の子供の感受性の差は3倍〜50倍とも言われています。

*   *   *

仮に乳児と大人の差を50倍としてみると、今回出た30ベクレル/kgという数字は、大人における1500ベクレル/kgに当たります。暫定基準値をはるかに、圧倒的に超えた数字になります。

*   *   *

追記:2011/12/07 12:50

あと、この明治の粉ミルクは、乾燥の工程で汚染されたと言われています。この情報自体が眉唾なんですが、もし本当に、埼玉・春日部の工場で、空気によって30ベクレルも汚染されたとすれば、この付近で作られた食品、すべてが、同様に汚染されている可能性があります。また、埼玉よりも汚染のひどい地域で、製造されたすべてのものが、よりひどく汚染されていることになります。

というより、そこで生活している人は、その空気を吸い続けたことになりますが、それでも大丈夫と言えるのでしょうか。

これはスルーしてていいのでしょうかね?

2011年12月2日金曜日

東大の学者が3月15日にしていた実験

このエントリーをブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク
被曝予防に花粉マスク有効 セシウム通さず 東大実験
http://www.asahi.com/science/update/1201/TKY201111300873.html

花粉用マスクをつければ、浮遊しているセシウムをほとんど吸い込まずにすみ、内部被曝(ひばく)量を減らせるとの実験結果を、東大アイソトープ総合センターなどがまとめた。30日に横浜市で開かれた日本放射線安全管理学会学術大会で発表された。

同大の桧垣正吾助教は、福島第一原発事故直後の3月15日午後3時から翌日午前9時までの18時間、東大本郷キャンパスで、市販されている不織布の立体型マスクを着用した。

花粉やほこりに付いて、空中を浮遊している放射性物質と、マスクに付着した放射性物質の量などを調べた。この結果、花粉用マスクで、セシウムのほぼ全てを吸い込まずにすむことが確認された。マスクに付着した放射性物質の量から換算すると、仮にマスクをせずに体内に吸い込んでいれば、内部被曝は9.3マイクロシーベルトに相当していた。

来春、スギ花粉からセシウムが検出される可能性も指摘されており、林野庁は今秋から実態を調べている。桧垣さんは「除染の際も、放射性物質が舞い上がる可能性がある。気になる人は、マスクを着用すれば防げる」と話している。(岡崎明子)

*   *   *

今忙しいので、コメントは後ほど。

と思ったけど、この書き込みが言いたいことを大体書いてくれてたのでコピペ。


229 名前: 地震雷火事名無し(関東・甲信越)  Mail:  投稿日: 2011/12/02(金) 09:01:16.48  ID: c4BeUSzLO
>>202
この実験してたってことは、
放射性物質が首都圏に降って来てるの知ってたってことだろ?

何やってるんだよ。御用学者どもは。
市民にこれっぽちも警告せずに、大丈夫だいじょうぶ言ってたじゃないかい!

研究室じゃ、みな換気扇止めてたそうだしな。
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...